雲川ゆずの本棚

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Brandon Sanderson(ブランドン・サンダースン) “Hero of Ages” あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、Brandon Sanderson(ブランドン・サンダースン) さんの“Hero of Ages”という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

ブランドン・サンダースン

1975年にネブラスカ州リンカーンで生まれました。ファンタジー、SF、スリラーなど、幻想的な物語を主に書いています。受賞資格が二年しかないジョン・W・キャンベル新人賞に、二年ともノミネートされた経歴を持っています。現在、妻と子どもたちと一緒にユタ州に住んでおり、大学でクリエイティブライティングも教えています。

 

本の概要


・ISBN:9780765316899
・出版年:2008年10月
・出版元:Tor Books
・ジャンル:ファンタジー
・ページ数:544ページ(ハードカバー)
・シリーズ:Mistborn #3

 

あらすじ

アセンションの井戸を閉じようとして悪霊ルインを解放してしまった新皇帝エレンド・ベンチャーとその妻である刺客ヴィンは、世界を救うために奔走することになる。

 

感想

ミストボーン三部作、たしか第一冊目を読みはじめたのが、一月くらいだったと思います。なかなか普段読まないファンタジーであることに加え、一冊一冊が非常にボリュームのある作品で、すべて読み終るのに多くの時間がかかってしまいました。

 

シリーズものもあまり読んでいなかったこともあり、読後は達成感でいっぱいになりました。ブランドン・サンダーソンが魔法使いのように、独自の世界観を生み出す才能をの持っているのだということを強く感じました。たとえば、マーベルなど、ひとつの宇宙と言ってもいいような大きな世界を、シリーズをとおしてゆっくりと築いていったのだと感じましたまた、だからこそ彼はゆっくりと、そして確実に、彼のライティングスタイルと彼の語る物語を絶対的に支持する熱狂的なファンを集めているのだとわかりました。

 

また、彼の創造性は本当に素晴らしいと思いました。3作、すべての作品で、現実感があり、生き生きとした、歴史を感じさせる世界を作り上げる能力を発揮して、私を驚かせてくれました。彼が生み出した世界は、創造性に富み、よく考え抜かれていて、まさに最高のファンタジーのあるべき姿だと思いました。

 

一言キャッチフレーズ

壮大な物語が、ついに幕を閉じる


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★☆☆(3/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

Peter James(ピーター・ジェイムズ) "Not Dead Yet" あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、Peter James(ピーター・ジェイムズ)さんの "Not Dead Yet"という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

ピーター・ジェイムズ

1949年、イギリスのブライトンに生まれました。作家としてだけでなく、脚本家や映画プロデューサーとしても活躍しています。代表シリーズ、警視グレイスシリーズは世界で200万部のベストセラーとなり、26か国語に翻訳されています。

 

本の概要

・ISBN:978-0330515573
・出版年:2012年
・出版元:Pan Books
・ジャンル:警察小説、クライムフィクション、スリラー
・ページ数:544ページ(ペーパーバック)
・シリーズ:Ds Roy Grace 8
・英語の難易度、特徴:シリーズの中でも地の文が多めです。イギリスの歴史に関する用語も今回は出てきます。
・テーマ、キーワード:イギリス警察、警察捜査、映画業界、セレブリティ、熱狂的なファン、エンタメ
・おすすめする人:エンタメ業界に興味がある方、警察捜査やセレブのガードに興味がある方

 

あらすじ

LAの映画プロデューサー、ラリー・ブルッカーにとって、この映画は長年逃してきた幸運をもたらす可能性のあるものだった。

ロック界のスーパースターであるガイアは、俳優として認められようと必死になっていた。そして、ラリーの映画は彼女がオスカーにノミネートされる可能性のある役でもあった。

ブライトン&ホーブ市にとっては、国王ジョージ4世とマリア・フィッツハーバートとの間に生まれた、この街最大のラブストーリーを描いたハリウッド大作映画のロケ地としての宣伝効果は計り知れないものがある。

しかし、サセックス警察のロイ・グレースにとっては、目の前で繰り広げられるものは悪夢でしかない。ガイアを狙う執拗なストーカーがいるからだ。彼女がブライトンに向かうために自宅を出る数日前に、彼女の命が狙われていることを証明するような事件が起きた。そして今、そのストーカーは街中に潜み、待ち伏せし、監視し、計画しているかもしれないということがわかった。

 

感想

ピーター・ジェイムズさんのロイグレースシリーズは、これまでも何作か読んできましたが、この作品は少しカラーが違うな、と感じました。エンタメ業界・映画業界が取り上げられます。

 

こう言っては申し訳ないのですが、序盤は少しわかりにくさも感じました。ロイグレースシリーズの醍醐味として、最初にあらゆる人物の視点から謎めいた場面が描かれ、事件が発覚し、捜査が始まり、最後にすべてがつながっていく……という流れが多いと思うのですが、今作は、その最初の部分がかなり複雑でした。

 

出てくる人物もいつもより少し多めかな、とも感じましたが、まさかこれが事件の大きなカギであり、ポイントになっているとは最初に読んでいるときは思いもしませんでした。びっくりです。

 

事件のプロットが練られていることはもちろんですが、今作は、エンタメ業界という特殊なものをあつかっていて、そこと警察がどう絡んでくるのか、という部分もとても楽しめました。映画プロデューサーは何としても成功を収めたいだろうし、警察としてもブライトンに大きな注目が集まるのは嬉しいこと。でもだからこそ、大きな責任と緊張が伴うのだと思いました。

 

 

一言キャッチフレーズ

ロイグレースは、世界的なセレブを救えるか……?


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

2021年3月読書記録まとめ(読んだ総作品数・ベスト/次点作品など)

こんにちは!

 

今回は、2021年3月の読書のまとめをしたいと思います。

長く寒く、暗い冬がようやく終わりを迎え、イギリスでも少しずつ暖かい日が出てきました。私も庭で読書をするという大好きなことができる日もあり、とても嬉しく思っています。

 

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1.読んだ作品数

今月読んだ総作品数:7作品

(※青空文庫で読んでいるものもあるため、総冊数ではなく、総作品数でカウントしています)

和洋の内訳:和書0作品、洋書7作品

 

2.読んだ作品一覧

 

ここからは、今月読んだ作品を一覧でご紹介します。

 

The Woman in Cabin 10 by Ruth Ware

Dead Man’s Grip (Ds Roy Grace 7) by Peter James

The House We Grew Up In by Lisa Jewell 

The Death of Mrs. Westaway by Ruth Ware 

The Mangle Street Murders by M.R.C. Kasasian

Watching You by Lisa Jewell 

Not Dead Yet (Ds Roy Grace 8) by Peter James

 

3.ベスト・次点作品

私が選ぶ今月のベスト:Watching You by Lisa Jewell 

次点:The Death of Mrs. Westaway by Ruth Ware

 

リサジュエルさんとルースウェアさんは、今月何作かそれぞれ読むことができました。お二人とも、イギリスを代表する作家さんですが、とにかく物語の世界観が素晴らしくて、どの作品もいつも引き込まれてしまいます。

 

なかでも、とにかく先を知りたくてページをめくる手が止まらなかった”Watching You”を今月のベストに、そして、人生や家族について、ここまで濃密にスリルをともなって描けるんだ、とびっくりした”The Death of Mrs. Westaway”を第二位に選んでみました。

 

4.総括

このブログで毎月の読書のまとめをはじめてから、初めて洋書だけ読んだ月となりました。特段意識していたわけではないのですが……。作家さんは少し偏ってしまったかもしれませんが、どの作品も本当に中身が濃くて、読み終ったあと、しばらくはその世界観から抜け出せないようなものばかりでした。

 

来月は、イギリスも少しずつ暖かくなってきて、お花ももう少し見れたらいいなと思っています。大きくはありませんが庭がありますので、外で風を感じながら読書できたらいいなと思っています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!