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Abir Mukherjee "A Rising Man (Sam Wyndham #1)" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ・警察小説】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Abir Mukherjeeさんの "A Rising Man (Sam Wyndham #1)" という作品をご紹介します。

 

作品概要
著者について

アビール・ムカルジー
ラージ時代のインドを舞台にした犯罪小説「サム・ウィンダム」シリーズのベストセラー作家。デビュー作『A Rising Man』は、2017年の最優秀歴史犯罪小説に贈られるCWA Endeavour Daggerを受賞し、MWA Edgarの最優秀小説賞の候補になった。スコットランドで育ち、現在は妻と2人の息子とともにロンドンに住んでいる。

 

本の概要

・出版年:2016年
・出版元:Vintage Digital
・ジャンル:ミステリ、警察小説
・ページ数:400ページ(Kindle版)
・シリーズ:Sam Wyndham #1

 

あらすじ

元ロンドン警視庁の刑事、サム・ウィンダム警部はカルカッタに新しくやってきた。大戦中の経験から再出発を望むウィンダムは、警察の新しいポストの責任者として採用された。しかし、新しい生活に慣れる間もなく、また、自分に取り憑いている幽霊に対処する間もなく、ウィンダムは殺人事件の捜査に巻き込まれ、イギリス領ラージの暗い裏の世界に入り込むことになる。

 

英国高官が殺害され、彼の口には英国に「インドを去れ」と警告するメモが残されていた。政治的な反発が高まり、ラージの安定が脅かされる中、ウィンダムは2人の新しい同僚、軽蔑を隠せない傲慢なディグビーと、英国教育を受けたがインド生まれのバネルジー、新CIDに採用された数少ないインド人の1人とともに捜査に乗り出す。

 

感想

面白かったです!イギリスとインドの20世紀前半における関係が物語の背景となり、事件もそれにしっかりと関連していて興味深かったです。

 

私は当時のことは世界史でならった程度しか知識がありませんが、この作品を読んでもう一度この範囲を勉強しなおそうかなと思いました。セポイ、プラッシーの乱などなど。

 

インドにルーツを持つ著者だからこそ書ける質の高い作品でした。著者の素晴らしい描写が、この時代と場所(カルカッタ)をとても生き生きとしたものにしているなと感じました。

 

政治が不安定になり、イギリスの支配が終わりに近づいている中、その緊張感が伝わってきて、この素晴らしい捜査にさらなる味わいを与えてくれました。サム・ウィンダムは素晴らしいキャラクターで、また同シリーズを読みたいなと思います。

 

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!