雲川ゆずの本棚

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【ポアロや代表作など】おすすめアガサ・クリスティー作品ベスト10

こんにちは!


今回は、私の大好きなアガサクリスティーの作品の中から、特に好きでおすすめの10作を選んでみました!悩みに悩み、有名な作品から、ちょっと変化球も混ぜていますので、ぜひお読みいただけましたら幸いです。

 

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1.ひらいたトランプ


あらすじ(引用:Amazon)


名探偵ポアロは、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬシャイタナ氏のパーティによばれた。が、ポアロを含め八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間でシャイタナ氏が刺殺された。しかも、客たちは殺人の前科をもつ者ばかり……ブリッジの点数表を通してポアロが真相を読む。


おすすめポイント
→私がクリスティー作品の中で一番好きな物語です(ちなみにイギリスの人気作家、アンソニー・ホロウィッツさんもインタビューで、クリスティー作品の中でお気に入りとおっしゃっていました!)。何が良いって、容疑者が4人しかいないのに、真犯人にたどり着くのが本当に難しいところです。そして、ブリッジをしている間に殺される、みんなが見ていたはずなのに…という設定も最高です。ポアロは、ブリッジの表を見て、筆跡などから犯人の性格を考えていきます。


2.ナイルに死す


あらすじ(引用:Amazon)


美貌の資産家リネットと夫サイモンのハネムーンはナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で暗転した。轟く一発の銃声。サイモンのかつての婚約者が銃を片手に二人をつけていたのだ。嫉妬に狂っての凶行か?……だが事件は意外な展開を見せる。船に乗り合わせたポアロが暴き出す意外な真相とは?


おすすめポイント
→こちらも私が大好きな作品の1つです。アリバイトリックがとても秀逸です。船という逃げられない舞台で、客室の図なども載っているのですが、それを見ながら、○○さんはこの部屋にいたからこの音はこっちから聞こえたはず、とか、頭の中で推理していく楽しさがあります。もうすぐ映画も公開され、その中で好きなキャラクター”ジャクリーン”を、これまた私の好きな女優さんである、エマ・マッキーさんが演じますので、楽しみで仕方ありません。


3.白昼の悪魔


あらすじ(引用:Amazon)


地中海の平和な避暑地スマグラーズ島の静寂は突如破られた。島に滞在中の美しき元女優が、何者かに殺害されたのだ。犯人が滞在客のなかにいることは間違いない。だが関係者には、いずれも鉄壁とも思えるアリバイが…難航する捜査がついに暗礁に乗り上げたとき、滞在客の中からエルキュール・ポアロが進みでた。


おすすめポイント
→原題は”Evil under the sun”。まさに作品を表すのにぴったりです。スマグラーズ島という避暑地、みんなが太陽を楽しんでいたと思った矢先、一人の死体が発見される。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ナイルに死すと同様、最初から最後まで無駄なページなど1ページもないといっても過言ではないほど、素晴らしく伏線回収される傑作です。人間の脆さや弱さも味わえる作品です。


4.そして誰もいなくなった


あらすじ(引用:Amazon)


その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!


おすすめポイント
→日本だけでなく世界中でオマージュが作られているクリスティーの代表作の一つ、そして誰もいなくなった。私がはじめてこの作品を読んだのは結構前になるのですが、今でも、最後にトリックが明らかになった時の衝撃は忘れていません。トリックの他にも、孤島に集められた人々(しかもこれらの人々が集められたのには、恐ろしい理由がある…)、助けは呼べない、次々に殺されていく……といったスリリングな展開もミステリ好きにはたまりませんね。


5.アクロイド殺し


あらすじ(引用:Amazon)


名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。しかし、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロであることが判明し、局面は新たな展開を見せる。ミステリ界に大きな波紋を投じた名作。


おすすめポイント
→かの有名なアクロイド殺し。すでにお読みになった方、これをフェアだと思いますか?それともアンフェアだと思いますか?それほど多くはありませんが、いろいろなミステリ作品を読んできた私は、これもフェアなんじゃないかなあと思っています!当のクリスティーは、フェアかアンフェアか、というよりも、当時にしてはめずらしいとあるもののトリックがお気に入りだったようですが…。


6.ゼロ時間へ


あらすじ(引用:Amazon)


残忍な殺人は平穏な海辺の館で起こった。殺されたのは金持ちの老婦人。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかった――人の命を奪う魔の瞬間”ゼロ時間”に向け、着々と進行する綿密で周到な計画とは?ミステリの常識を覆したと高い評価を得た野心作。


おすすめポイント
→まずタイトルが秀逸です。~の殺人、とか、死、などといった単語はないのに、なぜか読者に緊張感を持たせる素晴らしいタイトルです(私の中では、とても好きなタイトルです)。そして、どんでん返し好きの方、ぜひこちらを読んでみてください!普通のどんでん返しではありません。読者の予想の斜め上を行く作品です。そして、個人的にクリスティー作品の中の登場人物で、名キャラクターだと思っているロンドン警視庁のバトル警視が主役級に大活躍します。


7.七つの時計


あらすじ(引用:Amazon)


ロンドン郊外のチムニーズ館に宿泊していた若い外交官が、睡眠薬を飲んで変死した。死体の枕もとには七つの目ざまし時計が…この事件と、謎めいた“セブン・ダイヤルズ・クラブ”の関連は?謎は謎を呼び、推理と冒険が入り乱れ、事件は思わぬ展開を!『チムニーズ館の秘密』に続く、波瀾万丈の冒険ミステリ。


おすすめポイント
→こちらも読者を巧みにミスリードしていきます。単なる事件というよりは、サスペンス要素もあり、スリリングな展開(文字通り”息をのむ”ような場面も)が楽しめます。『チムニーズ館の秘密』という作品から4年後、という設定で物語が進みますので、どちらも読んでいないという方は、『チムニーズ館の秘密』から読むのをおすすめします!


8.鏡は横にひび割れて


あらすじ(引用:Amazon)

 

新興住宅地が作られ、セント・メアリ・ミードの風景もどんどん変わってゆく。だがミス・マープルの好奇心だけはいつも変わらない。有名女優が村に引っ越してきて、いわくつきの家に住み始めた。その引っ越しパーティの席上、招待客が死亡してしまう。

 

 


おすすめポイント
→男性だから、女性だから、という分け方はよくないと思っているのですが、この作品は女性の心理を本当によく表しているなあと感じます。クリスティーはきっと人間を観察力が強かったのだろうなあと。犯人がわかりそうでわからない、でもその人物が明らかになったとき、誰もが納得してしまう…。個人的には、イギリスの作家、ルーシーフォーリーさんがこういった作品を書きそうだなあと思っています。そして、どことなくもの哀しさを感じさせる邦題もすばらしいです。


9.ポアロのクリスマス


あらすじ(引用:Amazon)


クリスマスのリー家の再会は、耳をつんざくような家具の衝突によって打ち砕かれ、その後、甲高い叫び声が続いた。2階では、サイモン・リーが喉を切られて死んでいた。しかし、エルキュール・ポアロが家族に助けを求められたとき、彼は彼ら家族が悲しみにくれているのではなく、お互いを疑っているような雰囲気に気づく。


おすすめポイント
→クリスマスに当日には読みたくない作品ですが、イギリスの冬の描写も素晴らしいですし、なにせこちらもプロットが秀逸です。カギとなる1シーンがあるのですが、勘の良い読者の方ならあれ、おかしいなと気が付くかもしれません(私は気が付かず、最後に「そうだったの⁉」と見事にだまされました)。


10.5匹の子豚


あらすじ(引用:Amazon)


母は無実だったのです―娘の頼みにポアロの心は動いた。事件が起きたのは16年前。若い恋人に走った高名な画家を妻が毒殺、裁判の末に獄中死したのだ。殺人犯を母に持った娘の依頼で再調査に乗り出したポアロは、過去へと時間を遡り、当時の状況を再現してゆく。関係者の錯綜した証言から紡ぎ出された真相とは。


おすすめポイント
→最初にご紹介したひらいたトランプも容疑者は少なかったのですが、こちらの作品も、容疑者は少ないです。そして、過去の事件を追っていくので、一筋縄ではいかない。クリスティーは本当に、誰しもが怪しい、という状況を描くのが本当にうまいなあと思っています。邦題はかわいい響きですが、物語はダークです。人間の恨みっておそろしい!

 


最後までお読みいただき、ありがとうございました!読み進めていただいて、おわかりかと思うのですが、私の好み(ポアロ好き、フーダニット好き、どんでん返し&伏線回収系が好き、など)がはっきりと表れた結果になりました…(笑)


もちろん今回ご紹介した以外にも、クリスティー作品には素敵なものがたくさんあります。ぜひ、いろいろな作品を読んでみてください!そして、ぜひおたより等でみなさまのお好みを教えてください!