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Ann Cleeves "Silent Voices (Vera Stanhope #4)" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ・警察小説】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Ann Cleevesさんの "Silent Voices (Vera Stanhope #4)"という作品をご紹介します。

 

作品概要
著者について

アン・クリーブス
ヴェラ・スタンホープ警部補シリーズは、ノーサンバーランドを舞台に、彼女のパートナー、ジョー・アッシュワースとともに、愛される刑事が登場。アンのシェットランド・シリーズでは、ジミー・ペレス警部補が、神秘的で暗く美しいシェットランド諸島で捜査を行っている。

 

本の概要

・ISBN:9781250033581
・出版年:2013年
・出版元:Minotaur Books
・ジャンル:ミステリ・警察小説
・ページ数:320ページ
・シリーズ:Vera Stanhope #4

 

あらすじ

ヴェラ・スタンホープ警部補は、近所のスポーツジムのサウナ室で女性の遺体を発見したとき、人生で一度だけ、単純な自然死を発見したのだろうかと一瞬考えた。しかし、被害者の喉元に痕があるのを見つける。

 

ヴェラは再び捜査を担当することに喜びを感じ、ジョー・アッシュワース巡査部長と協力して動機の究明に当たる。ジョーが家庭と事件の両立に悩む一方、ヴェラは死がこれほどまでに生々しく感じられることはなかった。

 

2人は被害者の過去を調査し、幼い子どもを巻き込んだ衝撃的な事件を発見する。そして、過去から抜け出せない犯人を止めるために、秘密めいたコミュニティーの調査を始める。

 

感想

アンクリーブスさんのVeraシリーズはこれまでいくつか読んできましたが、今回はVeraのチームとしての捜査の動きがよく描かれていてよかったです(今後、まだ読んでいないもののなかで、またこのような作品があるとは思いますが)。

 

物語の終盤でもその一文があったのですが、この作品は「親と子の話」なのだと感じました。父と母がいて、その親から生まれた子どもがいる、ということが普通ではない。血のつながりの有無や、親の両方もしくは片方がいない場合もある。そして、彼らに関わり、支える人々もいる。

 

その一人ひとりが良かれと思ってすること、意志に反してしてしまうこと、そんなことが絡み合って悲劇が起きてしまった、という感覚が読んでいてありました。物語としての長さはそれほどでないものの、丁寧に人間関係が描かれ、重厚なストーリーとなっていました。Veraの性格や捜査方法もやっぱり好きだなと改めて感じました。

 

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!