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C.J. Tudor "The Other People" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、C.J. Tudorさんの "The Other People" という作品をご紹介します。

 

作品概要
著者について

C. J. Tudor
ソールズベリーで生まれ、ノッティンガムで育ち、現在もパートナーと娘と暮らしている。16歳で学校を卒業し、レポーター見習い、ラジオの脚本家、店員、広告代理店のコピーライター、ナレーションなど、長年にわたってさまざまな仕事に就いてきた。

 

本の概要

・ISBN:9781984824998
・出版年:2020年
・出版元:Ballantine Books
・ジャンル:ミステリ
・ページ数:327ページ

 

あらすじ

ある夜、家に車で帰る途中、錆びた古い車の後ろで進めずにいたゲイブは、リアウィンドウに小さな女の子の顔が映るのを見る。彼女は一言、「パパ」と口にする。それは彼の5歳の娘、イジーだった。

 

それ以来、彼は彼女を見ることはなかった。

 

3年後、ゲイブは昼夜を問わず高速道路を走り回り、娘をさらった車を探す。多くの人がイジーは死んだと信じているにもかかわらず、彼は希望を捨てようとしない。

 

一方フランと娘のアリスもまた、高速道路を何キロも走っていた。捜索ではない。でも、走った。敵の一歩先を行くために。フランは真実を知っているからだ。彼女はゲイブの娘に何が起こったかを知っている。

 

そして、事件の夜、ゲイブが走り去るのを見た車が湖で発見され、その中には死体があった。ゲイブは、娘が消えた夜の出来事だけでなく、彼の過去のはるかに深い出来事と向き合うことを余儀なくされる。

 

感想

C.Jチューダーさんの作品を読むのはおそらく初めてだと思うのですが、独特な世界観があるなと感じました。


映画のような壮大さと非日常感がありながら、それと終盤に明かされる事件のカギとなる動機の現実的な部分の対称性が鮮やかだったなと思います。

 

最初はゲイブとフラン&アリスのつながりがよく見えなかったのですが、それが徐々に明らかになっていくのが面白かったです。そして、タイトルにもなっている「The Other People」とは何なのか、それも現代の社会課題を取り扱っている(かすめている)ように思いました。

 

この「The Other People」をめぐり、負の連鎖があることがわかるのですが、そこがやや複雑で(私の英語力や理解力不足もあると思いますが)、それがもう少し丁寧に描かれているか、もしくはもっとわかりやすく描いてくれると良かったかなと思いました。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!