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Lisa Jewell(リサ・ジュエル) “Invisible Girl” あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、Lisa Jewell(リサ・ジュエル)さんの “Invisible Girl”という作品をご紹介します。

 

 

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作品概要
著者について

リサ・ジュエル:

1968年イギリス・ロンドンに生まれました。人気のフィクション作家としての地位を築いています。学校でアートやファッションなどを学んだあと、数年間はファッション業界で働いていました。彼女の小説家としてのデビューにまつわる話はおもしろく、リサは友人からお気に入りのレストランでのディナーと引き換えに3章の小説を書くという課題を受けたそうです。その3つの章が最終的に彼女のデビュー作「Ralph's Party」に発展し、1999年にイギリスでベストセラーとなったそうです。ほかの作家とは一味違ったデビューの道を歩まれたのですね。2008年には、小説『31 Dream Street』でメリッサ・ネイサン賞コメディ・ロマンス賞を受賞しています。現在は夫と二人の娘といっしょにロンドンにお住まいです。

 

本の概要


・ASIN : B084C235SJ
・出版年:2020年
・出版元:Cornerstone Digital(kindle版)
・ジャンル:サイコロジカルスリラー、サスペンス
・ページ数:407ページ(kindle版)
・英語の難易度、特徴:会話文が多めです。それほど難解な単語や表現はありません。
・テーマ、キーワード:ロンドン、思春期、家族、冤罪、警察捜査、孤独
・おすすめする人:謎めいた事件をあつかった小説を読みたい方、社会問題に興味がある方

 

あらすじ

真夜中。猫が徘徊し、狐が悲鳴を上げる町の暗闇で、一人の少女がなにかを見ている……。

サフィア・マドックスが10歳の時、恐ろしいことが彼女の身に起こり、それ以来、彼女はその痛みを抱え生きている。自分を癒してくれると思っていたセラピストの男はそうではなかった。そして今、彼女は隠れて彼を観察し、彼の秘密を知り、影の中で身を潜めている。

Owen Pickもまた、見えない存在とされている。彼はいままでガールフレンドがいたことがなく、友達さえもいなかった。誰も彼を見ていない。誰も彼を気にかけない。

しかし、バレンタインデーにSaffyreが彼の家の反対側で行方不明になると、突然、みんながOwenに注目し、彼を非難する。Saffyreの失踪の責任は彼にあると...…。

 

感想

これまでにも、リサ・ジュエルさんの作品はいくつか読んできましたが、この作品も含め、毎回思うのは、テーマの幅広さです。もちろん、一人の作家ですから、作風やテーマが似てしまうのはあると思うのですが、彼女は本当に毎回色々なちがった世界を読者に見せてくれるなあと感じています。

 

今回は、彼女の作品の中でも特に社会問題を正面から取り扱ったものだと感じました。舞台は現代のロンドン。様々なバックグラウンドを持つ人々が暮らしていますが、人口の多さは、必ずしも人々のあたたかな繋がりを生むというわけでもなく、あらゆる形の孤独を生むことがあるのだ、というのを強く感じました。サフィア、オーウェン、二人とも。

 

この本は、人々がほかの誰かのことをどれだけ知っているだろうか?ということをこちらに投げかけていると感じました。悪そうに見える人が本当に悪いのか?いい人、完璧に見える人は、裏に何も秘密を持っていないのか?ということも。

 

この本は、とても良いペースで進み、とても読みやすく面白い本でした。物語は複数の視点から語られており、それがそれぞれの登場人物の心にすっと入り込むのに役立ち、また本の緊張感を維持するのにも役立っていると感じました。人には見た目以上のものがあり、本当のモンスターは見えないところに潜んでいることが多いということを読者に思い出させてくれる本だと思いました。

 

 

一言キャッチフレーズ

あなたから彼女は見えない、けれど、彼女はあなたを見ている


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!