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Mark Billingham "Rabbit Hole" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ・スリラー】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Mark Billinghamさんの"Rabbit Hole"という作品をご紹介します。

作品概要
著者について

マーク・ビリンガム
バーミンガム生まれ、バーミンガム育ち。俳優として数年間活躍した後、TVライターやスタンドアップコメディアンとして活躍し、2001年に初の犯罪小説を出版した。妻と2人の子供と北ロンドンに住む。

 

本の概要

・ISBN:9780802158710
・出版年:2021年
・出版元:Atlantic Monthly Press
・ジャンル:ミステリ・スリラー
・ページ数:400ページ

 

あらすじ

アリス・アーミテージは警察官である。あるいは、そうだった。

あるいは、自分がそうだったと想像しているだけかもしれない。

 

実は、PTSDで衰弱した後、セルフメディケーションをすることで 酒とドラッグに溺れ、精神に異常をきたしたアリスは、現在では 精神科急性期病棟の長期入院患者だ。

 

ある時、彼女の仲間の患者が殺される――。

 

感想

ビリンガムさんは以前にも刑事のシリーズ作品を読んだことがあったのですが、本作はそれとはまた違ったユニークな作品でした。

 

アリス(アル)・アーミテージは、精神衛生と依存症治療のためにロンドンの中級病棟にいて、彼女はPTSD、薬物乱用問題、断続的なパラノイアを抱えている(とされています)。

 

完全に彼女の一人称で語られる今作。アリス自身の問題を含めて、彼女の視点が特徴的で、読者も事件をどのように見ていけば良いのか、終盤まで悩まされるかなと感じました。

 

彼女は究極の信頼できない語り手ではありますが、読者は誰が狂っているのか、誰が悪いのか、一体何が起こっているのか、と疑問を持つように上手く引き込まれていきます。

 

個人的には事件そのものよりも、最後の最後に明かされるアリスの秘密に驚きました。なんだかよくわからなかったことが、すっきりとする感覚がありました。

 

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

最後までお読みいただき、ありがとうございました!