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Peter James(ピーター・ジェイムズ) “Dead Man’s Time" あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、Peter James(ピーター・ジェイムズ)さんの “Dead Man’s Time" という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

ピーター・ジェイムズ

1949年、イギリスのブライトンに生まれました。作家としてだけでなく、脚本家や映画プロデューサーとしても活躍しています。代表シリーズ、警視グレイスシリーズは世界で200万部のベストセラーとなり、26か国語に翻訳されています。

 

本の概要

・ISBN:978-1509898893
・出版年:2013年
・出版元:Pan Books Ltd
・ジャンル:警察小説、スリラー、国際サスペンス
・ページ数:517ページ(ペーパーバック)
・シリーズ:Roy Grace #9
・対象読者年齢 : 18歳歳以上
・英語の難易度、特徴:シリーズ他作品と同様、地の文が多め。この作品で扱うのは荒い世界なので、スラングやフランクな表現も出てきます。
・テーマ、キーワード:イギリス警察、ブライトン、ニューヨーク、歴史、親子、アイリッシュ
・おすすめする人:イギリスとアメリカで展開されるスリリングな小説を読みたい方

 

あらすじ

世界的ベストセラー作家ピーター・ジェームズの最新作『デッドマンズ・タイム』では、ロイ・グレイスが最も危険な敵に立ち向かうことになる。それは、心に怒りを抱き、失うものが何もない男だ。

 

1922年、ニューヨーク。5歳のGavin Dalyと7歳の妹Aileenは、ダブリン行きのSS Mauretania号に乗り込んでいた。母親は銃殺され、父親が誘拐された直後だった。その紙には4人の名前と11個の数字が書かれており、これは彼の人生を脅かす暗号のようなメッセージだった。船が出航するとき、Gavinはマンハッタンが夕暮れに消えていくのを見て、いつの日か必ず戻ってきて父を見つけると約束する。


2012年、ブライトン。ロイ・グレースは、ブライトンで起きた強盗事件を捜査していた。老婦人が殺害され、希少なヴィンテージ時計を含む1,000万ポンドの骨董品が盗まれていた。驚いたことに、彼女の家族は、彼らにとって骨董品は重要ではなく、ただひとつ、時計を返してほしいと言っていた。捜査を進めていくうちに、彼は新旧の憎しみの巣を蹴破ってしまったことに気づく。その中心にいるのは、死んだ女性の95歳の兄、ギャビン・デイリーという一人の男だ。彼には解決しなければならない問題と守らなければならない約束があり、その両方がブライトンの骨董品業界、スペインのマルベージャの犯罪組織、そしてニューヨークを結ぶ殺人の痕跡につながっていた。

 

新たな殺人を阻止するために時間との戦いを強いられているロイ・グレースは、これまでで最も危険な敵に出会う。

 

感想


ピータージェイムズさんの作品はこれまでにも読んできましたが、今作はまた彼の引き出しの多さ、広さを知ることになりました。いつも以上に荒っぽい世界がテーマとなるため、好きな人にはささるだろうなあと感じました。

 

イギリスとアメリカ、そしてアイルランド系の方というルーツがどのように物語のなかで絡み合ってくるのか。そして、Gavinにとっても長年謎が解けなかった数字が意味するものを、読者も一緒に考えることになり、それが楽しみのひとつとなりました。

 

最後は感動的、というか壮大な物語にある意味終止符が打たれる形となり、それに至るまでのGavinの執念ともいえるものには、すごみを感じました。

 

タイトルも物語にぴったりです。イギリスとアメリカ、そして過去と現在という、ダイナミックなふたつの軸を中心にした緊張感あふれるサスペンスを読みたい方におすすめです。

 

一言キャッチフレーズ

時を超えた時計は、誰の手に……


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★*☆(3.5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!