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中野京子『怖い絵3』概要・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、中野京子さんの『怖い絵3』という作品をご紹介します。

 

 


本の概要

・ISBN:9784255004808
・出版年:2009年
・出版元:朝日出版社
・ジャンル:絵画エッセイ、美術
・ページ数:252ページ

概要

 「もっと読みたい」との読者の期待に応え、さらに怖い、待望の第三弾!

西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情を、歴史の裏の裏まで知り尽くした著者が、鮮やかな筆致でとき明かす、知的でスリリングな美術エッセイ。「絵ってすごい」と各メディア、シリーズ大絶賛!

「こうしてわたしたちは、言葉によって、少しずつ深く、絵のなかにおびきよせられていく。」
小池昌代さん(詩人)──「東京人」『怖い絵2』書評より


シリーズ完結編、渾身の謎解き、今回は、

◎清楚でロマンチックなボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』
 ……じつは、美神の憂いの陰には?

◎神からの祝福を描いたミケランジェロの『聖家族』
 ……聖ヨセフの抹殺された事実とは?

◎伝説の薄幸の美少女『ベアトリーチェ・チェンチ』
 ……しかし本当の悲劇とは?

他、ベラスケス『フェリペ・プロスペロ王子』、ルーベンス『メドゥーサの首』、シーレ『死と乙女』など、豪華カラー図版入り20点を掲載。

「絵は──もちろんどんな芸術も同じですが──歴史と無関係ではありえません。(中略)
歴史を知れば絵はもっと魅力を増し、また絵によって歴史への関心がかきたてられるでしょう」
(著者あとがきより) 

朝日出版社HPより引用)

 

 

感想

面白かったです!中野京子さんの本はこれまでにもいくつか読んだことがあるのですが、この作品もとても読みやすくて、また絵画について少しだけ詳しくなれた気がします。

 

世界史はもともと好きなのですが、やっぱり世界史と美術の知識はそれぞれ補完しあっているというか、どちらもあることで、双方をより楽しめるなと思いました。イギリスに住んでいるため、やっぱりイギリスの画家やイギリスの人々を描いた絵は気になります。特に、この本のなかでは、「かわいそうな先生」や、「ジン横丁」と「アンドリュース夫妻」の関わりなどが面白かったです。

 

もちろん現代も色々な問題があり、生きづらいと感じることはあるけれど、絵画には、ぱっと見ただけではわからないその当時の社会問題や背景が隠されており、それを知ることで、やっぱり社会はいい方向に進んでいるのでは?と希望が持てたりします(個人的には)。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!