雲川ゆずの本棚

本のレビューやおすすめ本紹介、イギリス生活の記事を書いています!

Jesse Q. Sutanto"Vera Wong's Unsolicited Advice for Murderers" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ】

こんにちは!イギリス在住ブロガーの雲川ゆず(@ybook21)です!

今回は、Jesse Q. Sutantoさんの"Vera Wong's Unsolicited Advice for Murderers" という作品をご紹介します。

 

あらすじ

60歳の自称お茶のエキスパート、ヴェラ・ウォンの楽しみは、ウーロンを飲みながらインターネットで健全な「探偵業」をすること(別名、息子が誰かと付き合っていないかチェックすること)。

しかしある朝、ヴェラが目を覚ますと、茶店の真ん中で男が死んでいた。なぜなら、暇を持て余した不審な中国人の母親ほど、悪事を嗅ぎつける者はいないからである。

 

感想

全体としてコージーミステリらしい楽しい雰囲気が味わえました。サンフランシスコ、チャイナタウンなど、私にとってはあまり身近ではない舞台設定ではありましたが、個性的なキャラクターと読みやすいカジュアルな文体で楽しめました。

 

事件の真相についても、意外性がありながらきちんと理論は通っていて、なるほどなと感じました。犯人だからこそわかること、また犯行動機へとつながっていく心の動きが丁寧に描かれていました。

 

また、お茶はお茶でも中国のお茶とイギリスで親しまれているお茶には違いがあり、それぞれにプライドがあるのだろうなと感じました。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

Alice Feeney "Rock Paper Scissors" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ】

こんにちは!イギリス在住ブロガーの雲川ゆず(@ybook21)です!

今回は、Alice Feeneyさんの"Rock Paper Scissors" という作品をご紹介します。

 

あらすじ

ライト夫妻は長い間、うまくいっていなかった。アダムとアメリアがスコットランドへの週末旅行に当選したとき、それは彼らの結婚に必要なものだったのかもしれない。自他ともに認める仕事中毒で脚本家のアダム・ライトは、生涯をとある病気とともに生きてきた。彼は友人や家族、そして自分の妻さえも認識できないのだ。

結婚記念日ごとに、夫婦は紙、綿、陶器、錫などの伝統的な贈り物を交換し、毎年アダムは妻から手紙をもらうが、夫はそれを決して読まない。二人はこの週末が結婚生活を左右することを知っている。二人のどちらかが嘘をついており、誰かが二人がいつまでも幸せに暮らすことを望んでいないのだ。

 

感想

すごく面白かったです!最初はアメリアとアダムのそれぞれの思惑もよくわからなかったのですが、終盤で彼らはいったい誰なのか、そして謎めいたロビンの正体、そしてアダムに向けた手紙の真相についてなど、すべてが明らかになっていく過程がとてもよかったです。

意外性にあふれ、それでいてリアリティもある。スコットランドの古い教会という、設定や雰囲気も抜群でした。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★★(5/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

S.A. Cosby "Blacktop Wasteland" あらすじ・レビュー【洋書サスペンス】

こんにちは!イギリス在住ブロガーの雲川ゆず(@ybook21)です!

今回は、S.A. Cosby "Blacktop Wasteland" という作品をご紹介します。

 

あらすじ

ボーレガード・"バグ"・モンタージュ:夫、父親、誠実な自動車修理工。しかし彼はかつて、ノースカロライナからフロリダのビーチまで、東海岸一の逃走ドライバーとして知られていた。何年も前に姿を消した父親のように。

経済的な災難に見舞われ(彼の住む小さな町の人種的偏見によってさらに悪化)、バグは金銭的な問題を解決するため、そしてきっぱりと更生するため、しぶしぶ大胆なダイヤモンド強盗に参加する。しかし、それが大失敗に終わると、彼は、彼が大切にしているものすべて、そしてすべての人を脅かす陰惨な裏社会に吸い込まれていく......。

 

感想

S.A. Cosbyさんの作品は以前も読んだことがあるのですが、そのときに感じたようなエネルギーや熱量を今作でも感じました。物語という形で表出されているけれど、それはきっと作家自身の考えや想いなのだろうなと思いました。

社会的課題、社会問題などもあぶり出しており、Goodreadsの賞にノミネートされるのも納得です。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★☆☆(3/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!