雲川ゆずの本棚

本のレビューやおすすめ本紹介、イギリス生活の記事を書いています!

Ashley Flowers"All Good People Here" あらすじ・レビュー【洋書心理スリラー】

こんにちは!イギリス在住ブロガーの雲川ゆず(@ybook21)です!

今回は、Ashley Flowersさんの"All Good People Here" という作品をご紹介します。

 

あらすじ

インディアナ州ワカルサに住む誰もが、ジャニュアリー・ジェイコブスの事件を覚えている。マーゴット・デイヴィスは当時6歳で、ジャニュアリーと同じ年だった。あれから20年、マーゴットは成長し、引っ越し、大都会で暮らすジャーナリストとなった。

 

感想

最初がかなり読者を惹きつける展開・スピードだったので、序盤ややそれが緩んでしまったのと、終わり方が少し残念だったかなと思いました。Goodreadsのレビューでも、最後については結構多くの方が不満だったと書いていて、やっぱり私だけじゃなかったんだなと。

当時子どもだった主人公が大人になり、過去の事件に改めて向き合う、というのはミステリ・心理スリラー作品においてとても人気のテーマなので、事件の真相についても中盤で何となく気づけてしまいました。

作者は有名なポッドキャスターさんということなので、一度番組を聞いてみようかなと思います。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★☆☆(3/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

Stacy Willingham"All the Dangerous Things" あらすじ・レビュー【洋書心理スリラー】

こんにちは!イギリス在住ブロガーの雲川ゆず(@ybook21)です!

今回は、Stacy Willinghamさんの"All the Dangerous Things" という作品をご紹介します。

 

あらすじ

1年前、イザベル・ドレイクの人生は一変した。彼女と夫が寝ている間に、幼児のメイソンがベビーベッドから連れ出されたのだ。警察が追うべき証拠も手がかりもほとんどなく、事件はすぐに迷宮入りした。しかしイザベルは、メイソンが文字通り自分のもとに戻ってくるまで休むことができないでいた――。

 

感想

ステイシー・ウィリンガムさんは、デビュー作『A Flicker in the Dark』がとても素晴らしかったので、2作目となる今作もとても楽しみに読み始めました。

 

序盤から中盤にかけては、何となくこんな結末かな、と予想していたのですが、最後にそれを見事に裏切られる展開が待っていて、さすがだなと感じました。結果として、期待以上の面白さでした。

 

主人公・イザベルの身の回りで起きた、過去と現在の事件のそれぞれの真相が、理論的で納得できるもので良かったです。この作品では夢遊病が扱われるのですが、説明しづらいことをそれに委ねることなかったのも、心理スリラー作品としての質の高さだなと感じました。またウィリンガムさんの新しい作品が出たら読みたいなと思います。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★★(5/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

Jesse Q. Sutanto"Vera Wong's Unsolicited Advice for Murderers" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ】

こんにちは!イギリス在住ブロガーの雲川ゆず(@ybook21)です!

今回は、Jesse Q. Sutantoさんの"Vera Wong's Unsolicited Advice for Murderers" という作品をご紹介します。

 

あらすじ

60歳の自称お茶のエキスパート、ヴェラ・ウォンの楽しみは、ウーロンを飲みながらインターネットで健全な「探偵業」をすること(別名、息子が誰かと付き合っていないかチェックすること)。

しかしある朝、ヴェラが目を覚ますと、茶店の真ん中で男が死んでいた。なぜなら、暇を持て余した不審な中国人の母親ほど、悪事を嗅ぎつける者はいないからである。

 

感想

全体としてコージーミステリらしい楽しい雰囲気が味わえました。サンフランシスコ、チャイナタウンなど、私にとってはあまり身近ではない舞台設定ではありましたが、個性的なキャラクターと読みやすいカジュアルな文体で楽しめました。

 

事件の真相についても、意外性がありながらきちんと理論は通っていて、なるほどなと感じました。犯人だからこそわかること、また犯行動機へとつながっていく心の動きが丁寧に描かれていました。

 

また、お茶はお茶でも中国のお茶とイギリスで親しまれているお茶には違いがあり、それぞれにプライドがあるのだろうなと感じました。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!