雲川ゆずの本棚

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2021年9月読書記録まとめ(読んだ総作品数・ベスト/次点作品など)

こんにちは!

今回は、2021年9月の読書のご報告をしたいと思います。

私が住むイギリスは、8月は少し天気もあまりよくなかったのですが、9月は晴れの日も多く、暖かい日も多かったように感じます。庭に座って本を読んだり、充実した読書ライフを過ごすことができました。

 

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1.読んだ作品数

今月読んだ総作品数:17作品

(※青空文庫で読んでいるものもあるため、総冊数ではなく、総作品数でカウントしています)

和洋の内訳:和書11作品、洋書6作品

 

 

2.読んだ作品一覧

The Deceived(Jonathan Quinn #2) by   Brett Battles 
五瓣の椿    by 山本周五郎
The Papers of Tony Veitch (Jack Laidlaw #2)  by   William McIlvanne
鳴門秘帖 一、上方の巻   by 吉川英治
鳴門秘帖  二、江戸の巻    by 吉川英治
The Sun Down Motel   by Simone St. James 
鳴門秘帖 三、木曾の巻  by  吉川英治
法悦クラブ   by 野村胡堂
判官三郎の正体   by  野村胡堂
焔の中に歌う    by 野村胡堂
鳴門秘帖 四、船路の巻  by  吉川英治
Shadow of Betrayal(Jonathan Quinn #3)   by Brett Battles 
The Island    by C.L.Taylor 
鳴門秘帖 五、剣山の巻    by 吉川英治
鳴門秘帖 六、鳴門の巻    by 吉川英治
Strange Loyalties (Jack Laidlaw #3) by    William McIlvanney 
身代わりの花嫁  by  野村胡堂

 

3.ベスト・次点作品

私が選ぶ今月のベスト:五瓣の椿    by 山本周五郎

次点:The Island    by C.L.Taylor 

4.総括

今月は久しぶりに和書をたくさん読むことができました。上記の通り、青空文庫で読んでいるものを含んでいるため、冊数ではありませんが、それでも色々と読めたのは楽しかったです。また、野村胡堂という新しい作家にも挑戦することができました。洋書についても、新しい作家の作品を読むことができ、充実した一か月を過ごすことができました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

William McIlvanney "Strange Loyalties" あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は、William McIlvanney "Strange Loyalties"  という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

ウィリアム・マッキルバニー

ウィリアム・マッキルバニーは、スコットランドの小説、短編小説、詩の作家でした。骨太でありながら詩的な文学を得意とし、『レイドロー』、『トニー・ヴェイチの論文』、『Walking Wounded』などの作品は、1970年代のグラスゴーを描いたものとして知られています。タータン・ノワール』の父」と称され、「スコットランドのカミュ」とも評されています。

 

本の概要

 

・ISBN:0156856441 (ISBN13: 9780156856447)
・出版年:1993年(初版は1991年)
・出版元:Mariner Books
・ジャンル:警察小説、ミステリ、サスペンス、スリラー
・ページ数:288ページ(ペーパーバック)
・シリーズ:Jack Laidlaw #3

 

あらすじ

レイドロー刑事は、兄の無差別殺人という心に響く事件を捜査する。

 

感想

レイドローシリーズ3部作、今回ですべて読み終えました!
3つとも決して派手さはないものの、いぶし銀というか、渋くて味のある物語だったと思います。

マッキルバニーさんは素晴らしい作家であり、それはこの作品でも十分に証明されていました。この作品は、犯罪を背景にした道徳的・哲学的な小説であると感じました。つまり、レイドロー(=作者・マッキルヴァニー)の哲学的な考察が大量に出てきました。犯罪のプロットばかりに焦点があたっていない点が、この小説、そしてこの作家を特別なものにしているのだと思いました。

 

一言キャッチフレーズ

兄弟の死の真相は……


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

吉川英治『鳴門秘帖』あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は、吉川英治さんの『鳴門秘帖』という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

吉川英治

1892年、現在の横浜市中区に生まれました。様々な職業についたのち、作家活動に入りました。歴史小説、時代小説を得意とし、1935年から連載が始まった『宮本武蔵』は多くの読者を魅了し、大衆小説の代表的な作品となりました。敗戦後は、そのショックからなかなか筆をとれずにいましたが、親友の菊池寛からの求めで再度作品をかけるようになり、『高山右近』『大岡越前』で本格的に復活をとげました。1962年、肺がんのため亡くなりました。

 

本の概要

 

・連載年:1926年8月11日から翌年10月14日まで、「大阪毎日新聞」に連載
・ジャンル:歴史小説
・テーマ、キーワード:日本史、歴史、江戸時代、阿波、隠密

 

あらすじ

『鳴門秘帖』(なるとひちょう/なるとひじょう)は、吉川英治の長編小説である。1926年8月11日から翌年10月14日まで、「大阪毎日新聞」に連載された。
謎に囲まれた阿波に潜入しようとする青年隠密と、それを阻もうとする阿波藩士の戦いに、青年隠密を恋い慕う女性の恋情を組み入れたものである(Amazonより引用)。

 

 

感想

これまでも吉川英治さんの作品はいくつか読んできましたが、個人的には一番好きかもしれません。以前読んだ『剣難女難』より読みやすく、テンポもよかったので、退屈にならず読むことができました。また、序盤はどんな物語なのか、どんな展開になるのか分かりかねましたが、主人公の法月弦之丞が登場してからは、物語の筋が見えやすくなりました。

 

また、お綱さんと万吉さんという素敵な人物も出てきて、法月だけではおそらく少し足りなかったような人間味や人情なども物語に加えられていました。涙を誘う部分もいくつか。素晴らしい作品でした。

 

一言キャッチフレーズ

幾多の困難を乗り越え、目指すは阿波。


5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★★(5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!