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森絵都『出会いなおし』あらすじ・感想

2021/9/11更新

 

こんにちは!

今回は、森絵都さんの『出会いなおし』という短編集の作品をご紹介します。

 

作品概要


著者について


森絵都(もり えと)
1968年東京都にお生まれになりました。日本児童教育専門学校児童文学科卒業、早稲田大学卒業。児童文学創作の傍らアニメーションのシナリオを手がけています。デビューは、1990年『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞したことがきっかけです。同作品で、第2回椋鳩十児童文学賞も受賞。1995年『宇宙のみなしご』で第33回野間児童文芸新人賞と第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を、1998年『つきのふね』で第36回野間児童文芸賞を、99年『カラフル』で第46回産経児童出版文化賞を、2003年『DIVE!!』で第52回小学館児童出版文化賞を受賞するなど、児童文学の世界で高く評価されたのち、06年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞。(ウィキペディアおよび「BOOK著者紹介情報」より引用)

 

 

本の概要


・ISBN-13:978-4163906201
・出版年:2017年
・出版元:文藝春秋
・ジャンル:一般フィクション、心理フィクション、エンタメ
・ページ数:230ページ(単行本)
・テーマ、キーワード:家族のかたち、女性の心理・生き方、日常

あらすじ

文芸春秋ウェブサイト・担当者による作品紹介より引用

過ぎてゆく時間のなかで、再び「出会いなおし」ていく人々の物語。

人生の大切な時間を、鮮やかに、そして、深く描く、珠玉の短編集。

森絵都さんが、時間をかけて、熟成してきた短編たちを編んだ本作は、年を重ねるということの意味を改めて実感できる表題作や、意外な視点のショートストーリーもあり、身近な人との絆を見つめなおしたくなるような、優しさと、確かな生の重みに満ちた作品を楽しめます。

 

 

感想

 

森絵都さん作品とわたしとの出会いは、中学生のころ、だったと思います。『カラフル』、だったか、『風に舞い上がるビニールシート』だったか。ちゃんと覚えていないところがだめだなあと思うのですが、とにもかくにも、印象に残って、この人好きだな、と思った記憶があります。

 

そして、いろいろ森さんの作品を読んできて、久しぶりに読んだのがこちら。これくらいのインパクトがちょうどいいなあ、と思いました。毎日は淡々とすぎていく。そのなかでちょっと嬉しくなったり切なくなったりする出来事が起きる。ものやひと、なんでもそうですが、「出会える」ということがいかに貴重で、ありがたいことか。素敵な情景・心理描写とともにやさしく教えてくれました。

 

わたしがたぶん森さんが好きなのは、読み心地がよいから、だと思っていますが、この作品もそうでした。6つの短編がおさめられていますが、どれも穏やかな個性をもって輝いていました。人生における様々な出会いと別れ。

 

わたしがこの作品のなかで特に印象に残ったのは「出会いなおし」と「むすびめ」です。どちらもタイトルがまず素敵。思いつきそうで、思いつかないですよね。ひととひととの関係はむずかしい。こちらが思っていたこと、それが相手もおなじことを考えているとは限らないし、それが自分の思い込みだったりもする。

 

 

いい作品に出会えました。

 

一言キャッチフレーズ

日常は、少しの寂しさと、喜びをもって


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)

 


最後までお読みいただき、ありがとうございました!