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Dilly Court(ディリー・コート) "The Christmas Card" あらすじ・感想


こんにちは!

今回は、Dilly Court(ディリー・コート)さんの "The Christmas Card"という作品をご紹介します。

 

 


作品概要


著者について

 

ディリー・コート

ロンドン北東部で育ち、テレビの世界でキャリアをスタートさせ、脚本を書いていました。結婚して2人の子どもと4人の孫がおり、現在は夫と一緒に、美しいドーセット州に住んでいる。これまでに18冊の小説を出版し、リリー・バクスターという名前でも執筆しています。

 

本の概要

・ISBN:9780008137380 
・出版年:2016
・出版元:HarperCollins
・ジャンル:歴史フィクション
・ページ数:496ページ
・英語の難易度、特徴:
会話が多く、展開もわかりやすいですが、物語全体が長いため、少々体力がいります。
・テーマ、キーワード:
ヴィクトリア朝時代、歴史、イギリス史、家族、貧困、因果応報
・おすすめする人:
イギリス史、特にヴィクトリア朝時代が好きな方、起承転結が大きくはっきりしている作品が好きな方など

 

あらすじ

父が亡くなり、アリスと母の借金だけが残る中で、悲嘆にくれる二人は、残酷なジェーンおばさんの恩義に頼らざるを得なくなる。叔母のジェーンは、お金のために、アリスに怪しげな結婚を強要しようとします。そしてアリスがそれを拒否すると、叔母は生活費を稼ぐためにアリスに豪邸で働くことを命令する……。

 

感想

イギリス、ヴィクトリア時代のロンドンの様子がよく伝わってくる作品です。暗く、主人公にとっては大変な場面が続きますが、どんな状況でもなんとか突破口を見つけようとする素直で健気な姿は、勇気をもらえます。

 

正直なところ、けっこう悲しい描写というか、場面や設定があったりするのですが、けっしてそれだけで終わらず、希望が見える終わりかたをしているところが救いであり、クリスマスらしさなのかな、と感じました。

 

私はイギリスに来るまえ、イギリスは裕福な国であり、貧困はあまり見えていませんでしたが、実際に移住して、いろいろなニュースや報道を見たりすると(2020年は特にコロナの影響で、その率などが増えたそうです)、大変な状況におかれている方が本当にたくさんいることに驚き、また少なからずショックも受けました。

 

もちろんこの作品で描かれるヴィクトリア朝のロンドンと現在は違いますが、困難な状況にあるときに、この作品を手に取ったら、少し涙ぐんでしまうかもしれない、と思いました。

 

一言キャッチフレーズ

ひたむきさは、未来を拓く

 


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★☆☆(3/5)

 


最後までお読みいただき、ありがとうございました!