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Cara Hunter “No Way Out(DI Adam Fawley #3) ” あらすじ・レビュー【洋書ミステリ・警察小説】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Cara Hunter “No Way Out” という作品をご紹介します。


作品概要
著者について

カーラ・ハンター

オックスフォードに住む作家で、彼女の犯罪シリーズに登場するのと同じような通りに住んでいる。アダム・フォーリー警部補を主人公とする『Close to Home』でデビュー。

 

本の概要

・ISBN:0241283493
・出版年:2019年
・出版元:Penguin
・ジャンル:警察小説、ミステリ
・ページ数:384ページ(ペーパーバック)
・シリーズ:DI Adam Fawley #3

 

あらすじ

クリスマス休暇中、ノース・オックスフォードの燃え盛る家の残骸から2人の子どもが引きあげられた。幼児は死亡し、兄の命もまもなく尽きてしまう。

なぜ彼らは家に残されたのだろうか?母親はどこにいるのか、父親はなぜ電話に出ないのか?

そして新たな証拠が発見され、フォーリー警部の最悪の悪夢が現実のものとなる。

この火災は事故ではなかったからだ。

殺人なのだ。

 

感想

ミステリ+古典の雰囲気+クリスティー要素。最高でした。カーラハンターさんの作品は初めて読みましたが、他の作品も読んでみたいです(シリーズ作ということなので、楽しみ)。

 

タイトルにある、”出口がない”というのは、事件が起きた家そのものの直喩でもあるし、八方ふさがりだった家族の暗喩でもあるのだろうと感じました。誰もがうらやむような”オックスフォードの大きなエドワーディアンハウス”というのは、財産でもある一方、作者が最後に残したように、ある意味毒っけもある存在。

 

最初に古典の雰囲気、と書いたのは、舞台や時代は違いますが、なんとなく『嵐が丘』のような暗さをこの小説に感じたからでした。お金持ちで権威がある家庭の、他人には知られたくない過去や秘密のあれこれ。警察捜査の描写もよかったです。

 

5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★★(5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!