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Lynda La Plante "Buried(DC Jack Warr #1)" あらすじ・レビュー【洋書・警察小説・ミステリ】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Lynda La Plante "Buried(DC Jack Warr #1)" という作品をご紹介します。


作品概要
著者について

リンダ・ラ・プランテ(本名:リンダ・ティッチマーシュ)
イギリスの作家、脚本家、かつての女優(『レンタゴースト』などの出演はリンダ・マーシャルの芸名で)であり、テレビ犯罪シリーズ『プライムサスペクト』の脚本家として最もよく知られている人物である。

 

本の概要


・ISBN:1499862431
・出版年:2020年
・出版元:Zaffre
・ジャンル:警察小説、警察捜査、ミステリ
・ページ数:352ページ(ハードカバー)
・シリーズ:DC Jack Warr #1

 

あらすじ

ヴィクトリア朝の古いコテージには、ドリー・ローリンズとその未亡人の隠された遺産である、盗まれた追跡不可能な数百万枚の紙幣が手付かずのまま眠っているのだ。

しかし、この数百万ドルは忘れ去られることはない。刑務所から釈放されたエスター・フリーマンは、その金を取り戻すことを決意する。そして、シャーリー・ミラーの弟でオードリーの息子であるマイク・ウィッチーも同様である。

その頃、廃墟と化したコテージで火災が発生し、焼け焦げた死体と数千枚の紙幣が発見されたことから、警察は若い刑事ジャック・ウォーに注目する。

その火事と焼け焦げた死体について調べるうちに、ジャックは自分自身の過去について調べることになる。ジャックは養子として生まれたが、その実父が有名な犯罪者ハリー・ローリンズであったことを知る。

自分の正体を知るにつれ、ジャックはますます攻撃的になり、自ら法律を破ってでも真実を突き止めようとする。

 

感想

ラ・プランテさんの作品は初めて読みましたが、プロットが知的で複雑、かつミステリアスであるなと思いました。警察の捜査は、この作品のなかで中心となる女性たちと接触することになりますが、その女性たちが見事に描かれていると感じました。また、本作ではイーストエンドのギャングも登場しますが、語り口や台詞は本物らしく、骨太な印象さえ与えます。

この小説では、警察の捜査の糸と、主人公ジャックを取り巻く個人的な人生が、同じように区別され、複雑に描かれていました。この2つの側面が、素晴らしい深みと、シリーズが進むにつれてラ・プランテがストーリーの種をまくことができる肥沃な土壌を持った小説を作り出していると感じます。よく練られたキャラクターの幅は刺激的で、私の感情を見事に引きつけてくれました。

素晴らしい犯罪スリラーになるためのすべての要素を備えていると思いましたが、まだシリーズ1作目ということもあり、その混ざりあいがうまくいっていないように感じられる部分がありました。次作に期待したいと思います。

 

5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!