こんにちは!
今回は、Peter James(ピーター・ジェイムズ)さんの “Not Dead Enough”という作品をご紹介します。
★著者について
ピーター・ジェイムズ
1949年、イギリスのブライトンに生まれました。作家としてだけでなく、脚本家や映画プロデューサーとしても活躍しています。代表シリーズ、警視グレイスシリーズは世界で200万部のベストセラーとなり、26か国語に翻訳されています。
★本の概要
・出版年:初版2007年
・ページ数:640(ペーパーバック)、496(ハードカバー)
・シリーズ:Roy Grace, #3
★あらすじ
ロイ・グレース警視と彼のチームは犯人を見つけた……はずだった。
華やかで社交的な一人の美しい女性が死んだ。グレースの第一容疑者である彼女の夫は、彼女が死んだ時には60マイル離れた場所にいたが、他のすべての証拠は彼を示唆している。誰かが彼の身元を盗んだのか、それとも単に巧妙な役者で嘘つきなのか?
9年間行方不明だった妻のサンディが目撃されたとの報告を受け、グレースの捜査とクレオとの関係は脱線していく。感情の混乱と死体の数が増える中、グレースは必死になって両方の事件の真実に光を当てようとするが……。
★感想
これまでロイグレースシリーズは4作読んできましたが(#1, 2, 13, 15)、シリーズ第3作となるこちらも、とても面白かったです。ミステリー性が強いというか、推理小説的な要素もしっかりあり、シリーズの中でも私は結構好きな作品になりました。
事件がおき、そうそうに容疑者があがってきます。そして、明らかになるあらゆる証拠が彼を犯人だと示しています。
しかし、読者はTime Billionaire(タイムビリオネア)や、Skunk(スカンク)の存在も途中途中で知らされているため、いったい彼らと第一容疑者ブライアン・ビショップとの関係は?と、犯人の正体が、事件の謎とあわせてどんどん気になってくると思います。
また、警察内部の手続き(事情聴取から逮捕まで、また留置所など)なども丁寧に描かれていて、著者の入念な調査がわかるようでした。
物語全体として、凝っているなあ、練られているなあと感じました。インタビューなどを見たり聞いたりしたわけではないので、わからないのですが、ピーター・ジェームズご本人もお気に入りなのではないかなあと推察します。
*****以下、作品の内容に触れています。未読の方はご注意ください******
こちらからは内容に触れた感想を書いてみます。まず、物語全体がとても長いなあと感じました。レビューサイトなどを見ていると、同じように思っている方も多そうでした。中には、ここって本当に物語に必要?とか、●ページは少なくとも削れるぞ!などというご意見もありました(笑)
また、事件の真相(犯人の正体)が明らかになってから(この直前が本当に面白かった)が、ちょっとあっさりしているかなと思いました。「えっ、ここで終わっちゃうの?」と。私の英語力の問題で読み取れなかったのかもしれないのですが、スカンクとは結局?ですとか、3つ子の弟とわかったとき、ビショップは何を思ったんだろう?などなど……。終盤まで面白かっただけに、終わり方がすごく惜しいなと感じてしまいました。
もしお読みになった方で、スカンクの周辺事情がお分かりになった方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください!(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!