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Shari Lapena “The Couple Next Door” あらすじ・レビュー【洋書・心理スリラー】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Shari Lapenaさんの “The Couple Next Door” という作品をご紹介します。


作品概要
著者について

シャリ・ラペナ

カナダ出身の国際的なベストセラー作家で、2016年出版の「The Couple Next Door」が最も有名な作品です。小説家に転向する前は、弁護士と英語教師をしていました。現在トロント在住です。

 

本の概要

・ISBN: 9780593077382
・出版年:2016年
・出版元: Bantam Press
・ジャンル:心理スリラー、サスペンス、ミステリ
・ページ数:304ページ

あらすじ

一枚壁を隔てた先で何が起きているかは、誰もわからない――。

 

隣人は、あなたの生後6ヶ月の娘をディナーパーティーに招待したくないと言った。個人的なことではなく、ただ泣くのが耐えられないと。

 

夫は、それでも大丈夫だと言う。結局のところ、自分たちは隣に住んでいるだけなのだから。ベビーモニターを用意し、30分ごとに交代で家に戻り、チェックすればいい。最後に確認したとき、娘は眠っていた。しかし、家に帰った今、死ぬほど静かな家の中で階段を駆け上がると、最悪の恐怖が現実のものとなった。娘はいなくなっていたのだ――。

 

 

感想

シャリ・ラペナさんは大好きな作家さんの一人で、読む本読む本、外れがないと思っています。今回読んだのは、そんな彼女のデビュー作です。

 

生後半年の娘を一人家に残し、隣とはいえ、パーティーに出かける夫婦。その状況に最初からドキドキしましたが、「娘がいなくなった」という事件の始まりから、どんどんと夫婦が追い詰められていく様子が手に取るように伝わってきました。

 

展開、プロットも素晴らしいのですが、私はやっぱりシャリ・ラペナさんの強みは人物の心理描写にあると思っています。彼らの緊張・不安・苦しみ・葛藤が、ひしひしと伝わってくるのです。

 

事件はあることをきっかけに別の様相を見せ始めるのですが、物語が進むにつれてさらに大きな影が姿を表します。そこまで考えたか、と唸りました。そして、最後の一文がまた衝撃で素晴らしい伏線回収になっています。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!