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中里介山『大菩薩峠(一)甲源一刀流の巻』あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は、中里介山『大菩薩峠(一)甲源一刀流の巻』という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について


中里介山
小説家。明治18年神奈川県西多摩郡羽村(はむら)(現東京都羽村市)に生まれる。小学校高等科卒業後、電話交換手や小学校教員となる。初めキリスト教の感化を受けるが、やがて平民社の社会主義に共鳴、彼の思想傾向は漸次仏教への傾斜を深め、社会主義的傾向からの離脱が認められる。ユゴーやトルストイの文学に親しみ影響を受けた。

 

本の概要

・出版年:1913年~1941年に都新聞・毎日新聞・読売新聞などに連載された41巻にのぼる未完の一大巨編
・シリーズ:大菩薩峠

 

あらすじ/概要

明治末から昭和初期にかけて活躍した小説家、中里介山の代表作。1913(大正2)年に「都新聞」で連載が始まり、1941(昭和16)年まで断続的に書き続けられたが、著者の死により未完におわった。菩薩峠の頂上で老巡礼を理由なく斬り殺した冷酷な剣士・机竜之助、老翁のような顔と子供の大きさの体をもつ槍の名手の芸人・米友、兄の仇である竜之助を追い続ける青年剣士の兵馬ら、個性的な登場人物が空前のスケールで描き出す大河娯楽小説。ここにはその第1巻「甲源一刀流の巻」を収録。

 

感想

お江戸は広いから居どころに困るよつなことはねえ――
私も東京で同じことを思ったことがあるなと、この言葉にハッと。広いからこそ、誰もを知らないからこそ、救われるときがある。

 

剣術をテーマにした時代小説はいくつもあり、私は特に吉川英治作品を読んできたのですが、彼とはまた違った雰囲気の文体と物語で楽しめました。

 

超大作の最初ということで、物語を語れるほどではないのですが、文体が変に気負ったところがなく、読みやすく感じました。登場人物もそれぞれが個性的で、一巻から色々な出来事があり、それも楽しめました。

 

5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!