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Ajay Chowdhury "The Waiter"(Kamil Rahman #1) あらすじ・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Ajay Chowdhury "The Waiter"(Kamil Rahman #1)という作品をご紹介します。


作品概要
著者について

アジャイ・チョードリー
ロンドンとコルカタを舞台にした探偵小説『THE WAITER』の著者で、ブラッディ・スコットランドと提携したBAME HarvillSecker Crime Writing Prizeの受賞者でもある。アジャイはカルカッタとボンベイで生まれ育つ。

 

本の概要


・ISBN:1787301834
・出版年:2020年
・出版元:Harvill Secker
・ジャンル:ミステリ、警察小説
・ページ数:384ページ(ハードカバー)
・シリーズ:Kamil Rahman #1

 

あらすじ

元刑事のカミル・ラーマンは、コルカタからロンドンに移り住み、インド料理店のウェイターとして再出発を図る。しかし、上司の友人の富豪を招いての豪華なパーティーを担当した日から、平穏な新生活が崩れ去る。イベントは成功し、料理も美味しかったが、その晩、主催者のラケッシュがプールで死んでいるのが発見される。

 

感想

インドの方が書かれた小説や、インドの方がメインで出てくる小説をこれまで読んだことがあまりなく、最初は名前を覚えるのに少し時間がかかりましたが、慣れてしまうとどんどん物語に引き込まれていきました!間違いなく好きなミステリの中の1冊になると思います。

 

失脚したインド人刑事が主人公なのですが、彼がどうしてロンドンのレストランでウェイターの仕事をすることになったのか、そのきっかけとなるインドでのとある事件と、今現在イギリスで起きている事件、この2つを軸として進んでいきます。インドとイギリス、そのどちらもの環境が生き生きと描かれているなと感じました。コルカッタのシーンも素晴らしかったです。

 

過去の経験もあり、警察を(不法就労なので入国管理局も)正義ではなく障害物や危険の源として見ているアウトサイダーとしての刑事という立場の主人公に好感を持ちました。彼は警察の力を借りずに(時には意図的に排除しなければならずに)真実を見つけなければならず、テーブルで待ち、玉ねぎを切り、スプレッドシートに請求書を入力する間にパズルのピースを組み立てていかなければならない。やがてピースが重なり、彼は殺人犯だけでなく、複雑な陰謀の正体を暴き、自分の正義の観念を見つめ直すことになる、そんな深いテーマを読者に提示してくれました。

 

 

5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!