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Heather Gudenkauf "The Overnight Guest" あらすじ・レビュー【洋書心理スリラー】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Heather Gudenkaufさんの "The Overnight Guest" という作品をご紹介します。

 

作品概要
著者について

ヘザー・グーデンカウフ
サウスダコタ州ワグナーで、6人兄弟の末っ子として生まれました。
ヘザーは現在、家族とアイオワ州に住んでいます。家族との時間、読書、水泳、ハイキングなどを楽しんでいます。

 

本の概要

・ISBN:9780778311935
・出版年:2022年
・出版元:Park Row
・ジャンル:スリラー、ミステリ
・ページ数:316ページ

あらすじ

一人だと思っていたのに......。

作家のワイリー・ラークは、新刊を執筆するために引っ越した農家で雪に降られることを気にしていない。心地よい炎、完全な静寂。以前、この家で2人が無残に殺され、少女が忽然と姿を消したという事実がなければ、この家は完璧だった。

 

嵐がひどくなるにつれ、ワイリーはこの家に閉じ込められ、壁の中に隠された秘密に悩まされるようになる。そんな時、彼女は外の雪の中に小さな子どもを発見する。その子を家の中に入れて温め、安全を確保した後、彼女は答えを探し始める。しかし、やがて、この農家は彼女が思っていたほど孤立した場所ではないことが明らかになる。

 

感想

※この作品には、言葉による/身体的な暴力シーンが含まれます。苦手な方はお控えください。

 

衝撃的な作品でした。
前評判が良かった作品だったので期待していましたが、息をつかせぬ展開、臨場感あり、緊張感あり、恐怖もあり、一気に読んでしまいました。

 

物語は、現在・2000年8月、そして年月が書かれていない部分の語り、という主に3つの場面・時間軸で描かれます。それらにつながりがあるのはわかっていながら、どのように収まっていくのかが楽しみでした。

 

年月が書かれていない部分の語りは、とある少女の視点で描かれます。父による、母や自分への暴力、虐待的な言動。私は苦手な分野なので、斜め読みしましたが、この部分(イタリックで描かれているのでわかりやすいです)があるからこそ、その父に対する恐れがとてもよく伝わってきました。

 

テンポの良さ、人物描写、謎解き、テーマとプロットが見事にマッチしていて、とても完成度の高い作品でした。読んでいるあいだ、思わずKindleを強く握っていることに気づきました。それくらい、のめり込んでしまいました。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★★(4.5~5/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!