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Nancy Tucker "The First Day of Spring" あらすじ・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Nancy Tuckerさんの"The First Day of Spring"という作品をご紹介します。

 

作品概要
著者について

ナンシー・タッカー
オックスフォード大学で実験心理学を専攻し卒業した。ノンフィクション・フィクション作家であり、イギリスの精神衛生分野でも働いている。

 

本の概要

・ISBN:9780593191569
・出版年:2021年
・出版元:Riverhead Books
・ジャンル:ミステリ、心理スリラー
・ページ数:352ページ

あらすじ

クリッシーは8歳。彼女には秘密がある。男の子を殺したばかりなのだ。その感覚は彼女のお腹をソーダ水のように熱くさせた。彼女の遊び仲間は涙を流し、母親は恐怖で家に閉じこもってしまう。しかし、クリッシーは地域を支配していた。壁歩きが一番上手で、無料のキャンディーを手に入れる方法を知っていた。そして今、彼女は、食べ物が少なく、注意力がない家では決して得られない力を感じていた。

 

20年後、大人になったクリッシーは、名前を変えて隠れて暮らしていた。シングルマザーの彼女が望むのは、自分自身が否定された子供時代を娘にもってもらうことだ。だから、脅迫電話はとても怖いのだ。そしてクリッシーは、この世で唯一大切なもの、子供を失うことを恐れていた。

 

感想

著者のタッカーさんがオックスフォード大学で実験心理学を専攻した、というのが納得できるような作品でした。

 

子どもが犯人、というのはショッキングかつセンセーショナルであり、その部分だけがクローズアップされがちですが、その背景を時間をかけて紐解いていく過程が大事なのだと思います。言うは易く行うは難しですが。

 

大人になったクリッシー(ジュリアという名前)が娘のモリーになんとか普通の生活を送ってもらおうとしていますが、被害者家族が見たらどう思うのだろうかとも思いました。そこで彼女の子どもの時の親友・リンダの存在は興味深いと感じました。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!