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Nuala Ellwood "The Perfect Life" あらすじ・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Nuala Ellwood "The Perfect Life" という作品をご紹介します。


作品概要
著者について

ヌアラ・エルウッド
『My Sister's Bones』でオブザーバーの「New Faces of Fiction 2017」の一冊に選ばれ、その他『Day of the Accident』『The House on the Lake』などの小説で知られるベストセラー作家である。ヌアラは幼い息子とヨークに住んでいる。

 

本の概要


・ISBN: 0241989094 
・出版年:2021年
・出版元:Penguin
・ジャンル:ミステリ、スリラー、サスペンス
・ページ数:336ページ(ペーパーバック)

 

あらすじ

あなたは誰かになりたいと思ったことがありますか?

ヴァネッサはいつも、違う誰か、より良い誰かのふりをするのは簡単なことだと知っている。実生活で困難な状況に陥ったとき、彼女がしなければならないのは、より良い服を着て、新しいアクセントを使うことであり、そうすれば彼女は逃げ出すことができる。

そうやって、自分には到底買えないような家を見て回ることから始まった。本当に無邪気な楽しみだったそれは、次第にそうでなくなっていく。

なぜなら、内見に行った家に住んでいた男が死んだからだ。

そして誰もがヴァネッサが彼を殺したと思っている...

 

 

感想

この作品は、主人公のヴァネッサが素晴らしい人生を送っていた2017年の「THEN」と、すべてを失い、殺人容疑をかけられているかもしれない2018年の「NOW」という2つの時間軸で語られています。この2つの時間軸を行き来する構成は、特に序盤は何が起こっているのか把握するのに集中しなければならず、少し混乱したこともありましたが、すぐに物事は明確になっていきました。
事件そのものや、ヴァネッサの精神状態など、注目すべき点はいくつもあるのですが、私は特に姉妹の絆が素晴らしく、13歳という年齢差がありながら、姉妹の仲の良さが心地よく、また自分自身も、姉のジョージーに守られているような感覚になりました。デリケートなテーマが共感できるように描かれ、さらにひねりが効いていて、よく練られたプロットだと思いました。若干最後の展開が物足りなさを感じたのと、たくさんある伏線をもう少し絞って深堀りしても良かったかなと思いました。
この作家の作品を読むのはが初めてでしたが、今後も楽しみにしています。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!