こんにちは!
今回は、Ruth Ware(ルース・ウェア)さんの "Snowflakes"という作品をご紹介します。
作品概要
著者について
ルース・ウェア
国際的なナンバーワン・ベストセラー作家です。彼女のスリラー作品の多くは、サンデー・タイムズ紙やニューヨーク・タイムズ紙など世界中のベストセラーリストに掲載されています。彼女の本は映画化やテレビドラマ化されています。また、40以上の言語で出版されています。現在は家族と一緒にブライトン近郊に住んでいます。
本の概要
・ASIN : B08BWVWD3L
・出版年:2020年
・出版元:Amazon Original Stories
・ジャンル:一般フィクション
・ページ数:26ページ(kindle版)
・コレクション:『Hush』の一部
・英語の難易度、特徴:英単語や表現はそれほど難解ではないが、序盤に状況の説明がなく物語が始まるため、理解にやや時間がかかるかもしれません
・テーマ、キーワード:家族、警察、父の思惑・猜疑心
・おすすめする人:びっくりするような最後を持つ小説を読みたい方
あらすじ
ニューヨーク・タイムズ紙でベストセラーとなった「The Woman in Cabin 10」の著者が、真実と幻想の間の障壁が強くなるにつれ、ある家族の信頼が崩れていく様子を描いた衝撃的な短編小説。
リアは、家族と一緒に離島で孤立して成長期を過ごしてきた。しかし、荒廃した本土から遠く離れた彼らの静かな生活には少しずつ亀裂が生じていた。脅威の到来を感じた父は、壁の建設を手伝うよう家族に要求する。石の壁が高くなるにつれ、父の猜疑心はさらに強まっていく。リアは、一家に残された暴力の跡が今、また彼らの聖域にまで及んでいるのではないかという恐怖に駆られる。
ルース・ウェアの『Snowflakes』は、政治的なミステリーから心理的なスリルまで、騙し合いが生死に関わる6つの物語からなるコレクション『Hush』の一部です。それぞれの作品は、読んでも聞いても、本当にゾッとするような内容です。
感想
kindleで26ページと、短編小説でしたが、その短さのなかに強烈な世界が展開されていました。逆に、これが長編小説だったらあまりうまくいかないのかも、と。筆者の社会に対する鋭い視線が垣間見える作品でした。
この作品は、とある一つの家族が出てきます。一家、特に子どもたちの心に大きな傷を負わせるような過去の暴力から、孤島にたどり着き、父は壁を作り始める。恐ろしいほどの執拗さで父が建てようとした壁とは、何なのか。そして、”敵”がついに彼らの家を見つけ、襲いかかろうとする。
ネタバレになるのでその後については書けませんが、うまいなあと感じました。どこかしらにこの”父”になにかパズルのピースが合わないようなもどかしさ、違和感を感じていましたが、そのような理由だったとは。色々なテーマに当てはめることができるのだろうな、と感じました。
一言キャッチフレーズ
壁の正体がわかるとき、父の正体も明らかになる
5段階評価(おすすめ度)
※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。
★★★*☆(3.5/5)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!