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Tom Hindle "A Fatal Crossing" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ】

こんにちは!イギリス在住ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Tom Hindleさんの "A Fatal Crossing" という作品をご紹介します。

 


作品概要
著者について

トム・ヒンドル
ヨークシャー出身、現在オックスフォードシャー在住。彼のパートナーと、2匹のカメと1匹の猫と暮らしている。執筆以外の時間は、楽器を演奏したり、ブラウニーを焼いたり、恐竜やスーパーヒーロー、タイムトラベルが登場しそうな映画を見たりしている。

 

本の概要

・ISBN:9781529135695
・出版年:2022年
・出版元:Century
・ジャンル:ミステリ
・ページ数:464ページ(ハードカバー)

 

あらすじ

1924年11月、エンデバー号はニューヨークへの1週間の航海のため、2,000人の乗客と乗組員を乗せてサウサンプトンから出港した。

 

階段の下で老紳士の死体が発見されたとき、船員であるティモシー・バーチはこれを悲劇的な事故と断定しようとした。しかし、ロンドン警視庁の敏腕警部ジェームズ・テンプルは、この不幸には何か裏があると確信していた。

 

バーチは調査を引き受け、その結果、高価な絵画の盗難に行き着く。その絵の存在は、持ち主と死者しか知らない。ニューヨーク到着まであと数日、エンデバー号でのテンプルの目的さえも怪しくなってきた中、バーチの犯人探しは危険と隣り合わせだ。

 

感想

まず作者が若く、そしてこの作品が彼のデビュー作ということに、今後の期待が持てました。アガサ・クリスティーが好きな人におすすめ、とどこかに書いてあり、楽しみに読み始めました。

 

イギリスからアメリカへ向かう大型船。1924年という時代も相まって、どこかタイタニックを思い起こさせるような気もしますが、内容は純粋なミステリです。老人の死体が発見され、それには高価な絵画が関わっていることが明らかになります。そこから次第に物語は複雑さを見せ、最後には驚きの展開が待っていました。

 

海外のレビューを見るとまあまあ皆さん厳しい意見があったのですが、私はかなり好きでした。海外の方にとっては、文章がやや稚拙であったり、キャラクターの描き方が一面的であったりと感じたようですが、個人的にはそのシンプルさが私の英語力には合っていたような気がします。短くはない作品ですが、それほど混乱することなく読めました。

 

最後の展開は好き嫌いが分かれるかなと思いますが、個人的には面白いひねりだなと感じました。読後にまた最初から読み直したくなりますし、色々な人の感想を聞きたくなる作品です。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★★(5/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!