雲川ゆずの本棚

本のレビューやおすすめ本紹介、イギリス生活の記事を書いています!

M.R.C. Kasasian "The Mangle Street Murders" あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、M.R.C. Kasasianさんの "The Mangle Street Murders"という作品をご紹介します!

 

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作品概要
著者について

 マーティン・カサシアン:

「ガウアー街の探偵」シリーズで知られるイギリスの作家です。イングランドランカシャー州で生まれ育ちました。工場の作業員、ワインウェイター、獣医の助手、縁日の店員、歯医者など、これまでさまざまな職業を経験してきました。妻と一緒に、夏はサフォーク、冬はマルタの村に住んでいます。

 

本の概要


・ISBN:9781781851845
・出版年:2013年
・出版元:Head of Zeus 
・ジャンル:ミステリ、探偵もの
・ページ数:336ページ(ハードカバー)
・シリーズ:The Gower Street Detective #1
・英語の難易度、特徴:会話文が多い場面もあり、そこは読みやすい。グライスのブラックユーモアは文化や歴史への理解が必要かもしれません。
・テーマ、キーワード:ミステリ、個人探偵、19世紀イギリス、ロンドン
・おすすめする人:クラシックな雰囲気がお好きな方、型破りな探偵がお好きな方

 

あらすじ

1882年、ロンドン・ガウアー通り
シドニー・グライス(ロンドンで最も有名な個人の刑事)は、訪問客を待っている。
彼は朝の紅茶をすでに何杯も飲んでいて、外をちらりと見た。そこには、若くて地味な女性が家のドアの前に立っている。

シドニー・グライスの被後見人として現れた彼女の名前は、マーチ・ミドルトン。彼女は彼の次の事件に関して彼を助ける決心でいた。
グライスは女性では事件に立ち向かうのにあまりに弱いと思っていた。しかし、スラムで起きた恐ろしい殺人がシドニー・グライスの百科事典のような脳であっても難しいとわかったとき、彼女がむしろ役に立つことを知るのだった。

 

 

感想

ヴィクトリア朝時代のイギリス・ロンドンが舞台となり、いぶし銀の個人探偵・シドニーグライスと彼の若い被後見人であるマーチミドルトンがメインキャラクターであるこの作品は、とても面白かったです。シャーロックホームズとワトソン的な二人組として活躍します。

探偵として成功したシドニーは、無礼で、思いやりがなく、自分が常に正しいと信じている、ある意味救いようのないキャラクターです。そのままでは作品を読むのが苦痛に思えそうですが、この小説が他と違うのは、彼とマーチの間で交わされるウィットに富んだ会話と、マーチが十二分に彼女の力を発揮しているところです。

楽しくて、変わっていて、面白い事件。このミスマッチだけど面白い二人。

 

犯罪やミステリーの要素は、遺体安置所やスラム街など、ロンドンの暗く残酷な側面を読者に見せてくれます。プロットはうまくまとめられていて、たくさんのひねりと転回、素晴らしい対話があり、またディテールも凝られていました。

 

ミドルトンのことをもっと知りたいということ以外にも、グライスが変わるのかどうか、むしろ彼に対する私たちの認識が変わるのかどうかも気になります。次の作品も読んでみようと思います。

 

一言キャッチフレーズ

新たな探偵コンビ誕生か……?


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

Ruth Ware(ルース・ウェア) “The Death of Mrs. Westaway” あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、Ruth Ware(ルース・ウェア)さんの “The Death of Mrs. Westaway”という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

ルース・ウェア

国際的なナンバーワン・ベストセラー作家です。彼女のスリラー作品の多くは、サンデー・タイムズ紙やニューヨーク・タイムズ紙など世界中のベストセラーリストに掲載されています。彼女の本は映画化やテレビドラマ化されています。また、40以上の言語で出版されています。現在は家族と一緒にブライトン近郊に住んでいます。

 

本の概要


・ISBN:978-1911215035
・出版年:2018年
・出版元:Harvill Secker
・ジャンル:心理スリラー、スリラー、現代フィクション
・ページ数:400ページ(ハードカバー)
・英語の難易度、特徴:主人公の一人称の語り。極端に難解な表現はないものの、物語の謎をしっかり理解するためにはゆっくり読む必要があるかもしれません。
・テーマ、キーワード:家族問題、コーンウォール地方、遺産相続、家族、血縁

 

あらすじ

ハリエット・ウェスタウェイは、コーンウォール地方の祖母から多額の遺産を相続したという思いがけない手紙を受け取ったとき、それは彼女の祈りの答えのように思えた。彼女は高利貸しからお金を借りており、その脅迫はますます激しくなっていたからだ。

しかしそれは真実であるはずがない。ハルの実の祖父母は20年以上前に亡くなっているからだ。きっと、手紙は間違った相手に送られてしまったのだ。しかしハルは、海辺の占い師として磨いてきた人の心理を読む技術が、お金を手に入れるためにだれかを欺くのに役立つことを十分に知っていた。見知らぬ人の葬儀に現れて、権利のない遺贈を請求できるスキルを持っているとしたら、それは自分だ。

ハルは、人生を大きく変える選択をする。しかし、一度騙しにかかると、もう後戻りはできない。続けるか、すべてを失うか、人生をも失うか……。

 

感想

個人的には、以前読んだ "The Woman in Cabin 10" よりは最初が入りやすかったかな、と思いました。1ページ目から完全に夢中になっていました。

ルース・ウェアさんは、本当に読者の期待を決して裏切らない方だなあと!この作品は本当に魅力的でした。不気味ですが趣がある世界観、そして説得力のあるプロットが物語に深みを与えていました。とてもお勧めできる作品です。ルース・ウェアさんは、ゴシックの要素を取り入れた、アガサクリスティーのような犯罪古典の黄金時代のスタイルで、不気味で、雰囲気のある、暗いねじれた素晴らしい殺人ミステリーを生み出していると感じます。

 

後半はストーリーに没頭し、時間が経つのを忘れてしまいました。特に、主人公ハルが抱えるジレンマに私は完全に自分を投影していました。多くの読者は、自分がハルの立場だったらどうするだろうと考えると思います。それほど、ルース・ウェアさんの描き方が秀逸です。恐らく、著者が得意としていることのひとつは、何らかの形で社会から切り離されたキャラクターを描くことかなと。それは、設定や経験によってなされることもあれば、社会的な苦境によってなされることもあります。ハルは後者のカテゴリーに属するかと思いますが、前者の要素も少し含まれています。

 

このキャラクターの描き方で私が特に好きなのは、世界の他の部分の雑音を忘れさせてくれることです。登場人物たちの問題があまりにも孤立していて、それがページから飛び出してくるようにあまりにリアルに書かれているので、彼らの立場に身を置くことが容易にできるのです。ハルの強さ、悩み、考え方が自分のことのように感じられ、共感し、応援することができました。

 

一言キャッチフレーズ

明らかになる驚愕の事実に、あなた耐えられるだろうか?


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★★(5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

パトリック・ギブソン (Patrick Gibson)のプロフィール・出演作品・魅力など

こんにちは!

 

今回は、私の好きな俳優さんの一人である、パトリック・ギブソン (Patrick Gibson)さんについてご紹介します!

 

 

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1.パトリック・ギブソン (Patrick Gibson)さんのプロフィール

基本情報

・名前:Patrick Leo Kenny-Gibson

・生年月日:1995年4月19日

・身長:177cm

・出身:アイルランド

・愛称:パディ

プロフィール

アイルランド出身の俳優。「The Tudors」「The Passing Bells」「The OA」などの作品で知られる。2017年のIFTAsで「Rising Star Award」を受賞した。

 

2.出演作品

映画

2012年 What Richard Did:Jake役

2014年 Luke:Luke役

2014年 Gold:Devon役

2015年 Hunters Fall:James役

2015年 Cherry Tree:Brian Kelly / Devil役

2016年 Property of the State:Brendan役

2016年 Their Finest:Rex役

2018年 In a Relationship:Matt役

2018年 The Darkest Minds:Clancy Gray役

2019年 Tolkien:Robert Gilson役

 

テレビ

2009年 The Tudors:Son of Aske役

2011年 Primeval:Steve役

2011年 Neverland:Curly役

2014年 The Passing Bells:Thomas役

2016 - 2019年 The OA:Steve Winchell役

2017年 The White Princess:Perkin Warbeck / Prince Richard役

 

3.おすすめ作品

日本でパディくんが有名になるきっかけになった作品のひとつがこちら。ニコラス・ホルト演じるトールキンの友人のひとりの役として出演しました。

Tolkein

 

 

4.魅力

私がパディくんを好きになったきっかけは、映画トールキンのプロモーションのインタビューでした(もちろん映画も素敵でした)。もともとは、共演したアンソニーボイルくん目当てだったのですが……。

 

そんな私が思うパディくんの魅力は、うつくしい目です!あの目でまっすぐ見つめられたら絶対に気を失ってしまうだろうなと確信しています(笑)

 

そして、もうひとつ大きな魅力が、おしゃれなところです。どんなお洋服でも着こなしてしまうさまは素晴らしいなあと思っています。気になる方は、ぜひ彼のインスタグラムをチェックしてみてくださいね。

 

5.おわりに

 以上です!この記事で、少しでもパディくんに興味を持っていただけたら嬉しいです。映画『トールキン』で共演したトムグリくん、アンソニーくんについても記事を書いているので、よろしければご覧ください♪

 

ybook.hatenablog.com

 

 

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以上です!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!