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Ann Cleeves "The Heron's Cry(Two Rivers #2)" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ・警察小説】

こんにちは!イギリス在住ブロガーの雲川ゆずです!

今回は、Ann Cleevesさんの "The Heron's Cry(Two Rivers #2)" という作品をご紹介します。

 

作品概要
著者について

アン・クリーブス
ヴェラ・スタンホープ警部補シリーズは、ノーサンバーランドを舞台に、彼女のパートナー、ジョー・アッシュワースとともに、愛される刑事が登場。アンのシェットランド・シリーズでは、ジミー・ペレス警部補が、神秘的で暗く美しいシェットランド諸島で捜査を行っている。

 

あらすじ

北デヴォンは珍しく暑い夏を迎え、観光客が海岸線に押し寄せている。マシュー・ヴェン刑事は、ある芸術家グループの家で起きた事件現場に呼ばれた。ナイジェル・ヨー博士が、花瓶の破片で刺されていたのだ。

 

ヨー博士は殺人の被害者にはなりそうにない。彼は善良で、公務員で、娘に愛されている。しかしマシューは、彼女が彼の夫ジョナサンの親友であることを知って狼狽する。そして、同じように殺された別の死体が発見される。マシューはやがて、地域社会の根底にはびこる嘘と、危険なほど身近な事件に関わっていくことになる。

 

感想

アンクリーヴスさんの作品はこれまでに色々なシリーズの作品を読んできましたが、この作品も、彼女らしいなと感じました。

 

イギリス社会が抱える課題、問題。それに時に翻弄され、時に取り残される弱者とその家族。単なる社会批判で終わるのではなく、当事者の苦しみ、またその家族の大変さにも目を向け、何が必要なのか、どうすれば悲劇は起きずに済んだのかということを読者に考えさせる作品でした。

 

もちろんミステリー、警察小説としての面白さも抜群です。犯人の意外性や動機の奥深さ、伏線回収など素晴らしかったです。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!