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Annette Hess “The German House” あらすじ・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

 

今回は、Annette Hess “The German House”という作品をご紹介します。

日本語翻訳版は『レストラン「ドイツ亭」』です。


作品概要
著者について

アネット・ヘス

ハノーファーで育ち、現在はニーダーザクセン州に住んでいます。当初は絵画とインテリアデザインを学び、後に背景画を書くようになりました。フリーランスのジャーナリストや助監督を経て、脚本家としてのキャリアをスタートさせました。

 

本の概要


・ISBN:0062976451 
・出版年:2019年

・出版元:HarperVia
・ジャンル:歴史、政治、一般フィクション
・ページ数:336ページ(ペーパーバック)

 

あらすじ

24歳のエヴァ・ブルーンスにとって、第二次世界大戦は幼い頃の霧のような記憶である。終戦時、フランクフルトは連合軍の爆撃で大きな被害を受け、くすぶった廃墟と化していた。しかし、それは20年前のことである。しかし、それは20年前のことである。1963年の今、かつてクレーター状だった街は、滑らかに舗装されている。焼け野原になった街に、ピカピカの店が建ち並ぶ。裕福な求婚者ユルゲン・シュウマンのプロポーズを心待ちにしながら、エヴァは両親や妹と離れて新しい生活を始めることを夢見る。しかし、熱血漢の捜査官デイヴィッド・ミラーに戦争犯罪裁判の通訳として雇われ、エヴァの計画はひっくり返る。

 

感想

本書はホロコースト、特に「普通の」ドイツ人の共謀について興味深い角度から論じているが、読み物としては少し物足りなさを感じました。1960年代のエヴァと呼ばれる若い翻訳家を中心に、過去の罪悪感の問題に取り組もうとするものですが、(翻訳もあると思いますが)全体として素っ気ないと感じました。エヴァは戦争についてほとんど何も知らず、翻訳家としてもあまり優秀ではなく、アウシュビッツのことを知るとショックを受けておののくという人物ですが、読者の多くはそれほど同じような無邪気さは持ち合わせていないかな、と感じました。

 

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★☆☆(3/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!