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Brandon Sanderson "The Final Empire (Mistborn #1)" あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、Brandon Sanderson(ブランドン・サンダースン)さんの "The Final Empire (Mistborn #1)"という作品をご紹介します。日本語でも、ミスとボーンシリーズとして有名かと思いますので、お好きな方も多いかもしれません。

 

 

 

 

 

著者について

ブランドン・サンダースン

1975年にネブラスカ州リンカーンで生まれました。ファンタジー、SF、スリラーなど、幻想的な物語を主に書いています。受賞資格が二年しかないジョン・W・キャンベル新人賞に、二年ともノミネートされた経歴を持っています。現在、妻と子どもたちと一緒にユタ州に住んでおり、大学でクリエイティブライティングも教えています。

 

本の概要


・ISBN:076531178X (ISBN13: 9780765311788)
・出版年:2006年
・出版元:Tor Books
・ジャンル:ファンタジー
・ページ数:544
・シリーズ:Mistborn #1
・英語の難易度、特徴:
ファンタジーのため、物語独特の単語や表現が出てきます。極度に難しい単語やイディオムなどはありません。会話と地の文に偏りはあまり見られません。バランスがいいと思います。

・テーマ、キーワード:ファンタジー、帝国、反乱、仲間、合金術、特殊能力

・おすすめする人:ファンタジーがお好きな方、異世界にどっぷり浸かりたい方

 

あらすじ

千年の間、灰が落ちても花は咲かなかった。スカーは奴隷となり、恐怖の中で暮らしていた。"無限の片割れ"と呼ばれる主君が、絶対的な力をもって、神のように君臨していた。そして、希望が失われて記憶さえも残っていない時、ひどく傷つき、心に傷を負ったハーフスカーが、ロードルーラーの最も地獄のような牢獄の奥底で、希望を再度見つけた。ケルシアーは自分の中にミストボーンの力を見出したのだ。泥棒でもあり、天性のリーダーである彼は、その才能を策略に注ぎ込み、ロードルーラー自身を敵とした。

 

ケルシアーは、裏社会のエリート、最も賢く信頼できるアロマンサー、それぞれが彼の力を共有し、挑戦を好む者たちを集めた。その時になって初めて、彼は自分の夢を明らかにする。それは強盗ではなく、神の専制君主の滅亡である。

 

しかし、たとえこれまでに集められた最高の仲間がいても、ケルの計画は、無謀に思えた。運が彼の人生にヴィンという名前のボロボロの女の子をもたらすまでは。彼と同じように彼女もハーフスカーの孤児だが、彼女はもっと過酷な人生を歩んできた。ヴィンは出会う者全てから裏切られてきた。そのため、ケルは彼女に信頼することを学ばせなければならなかった。

 

感想

まず、ファンタジーはそれほどたくさん読んできたわけでもなく、私にとってなじみのあるジャンルでもないのですが、登場人物はおどろくほど共感でき、魅力的でした。それぞれが悲しい過去を持っていました。登場人物は、すべてが素敵な人々ではありませんし、欠点がありますが、それも含めて作者のつくりだしたキャラクターは幅も深さもあるなと感じました。

 

ヴィンとケルのコンビもとても魅力的でした。彼は、ヴィンやスカー全体にとって父親のような存在でした。

 

ヴィンは読者の心を非常に揺さぶる存在でした。彼女は、信頼と希望が失われた路上で育った。しかし、それがあったからこそ、彼女の人生にケルとの出会いをもたらしたのだと思います。彼女は、路上の泥棒としての自分とミストボーンとしての自分のアイデンティティーとの葛藤を抱えているところも、共感を呼ぶ部分だと思います。

 

そして、作者の世界構築の手腕も存分に発揮されているな、と感じました。アロマンシー、というのは、初めは理解するのに時間がかかりましたが、ユニークだなと。ファンタジー小説でありながら、このアロマンシー以外は入り込みやすいもので構成されており、長い作品ですが、読むのに時間を費やす価値が大いにあるなと感じました。

 

 

 

一言キャッチフレーズ

強力な敵に立ち向かった先には……


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)

 

 

以上です!最後までお読みいただき、ありがとうございました!