雲川ゆずの本棚

本のレビューやおすすめ本紹介、イギリス生活の記事を書いています!

C.L.Taylor “Strangers” あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は、C.L.Taylor “Strangers” という作品をご紹介します。

 

f:id:yuzubook:20210127205356p:plain


作品概要
著者について

C.L.テイラー

サンデー・タイムズ紙のベストセラー作家で、2019年秋のリチャード&ジュディ・ブッククラブに選ばれた『SLEEP』を含む、心をつかむサイコロジカル・スリラー8作品を執筆しています。彼女はウスターで生まれ、2014年にフルタイムで執筆活動を開始しました。現在はパートナーと息子と一緒にブリストルに住んでいます。

 

本の概要


・ISBN:0008222460
・出版年:2020年
・出版元:Avon
・ジャンル:サイコロジカルスリラー
・ページ数:334ページ(ハードカバー)

 

あらすじ

Ursula、Gareth、Aliceの3人は知り合いではない。

Ursulaは最愛の人を殺してしまったと思っている。
Garethは奇妙な絵葉書を受け取っていた。
そしてAliceはストーカーされている。

誰もが人に頼ることに慣れていない。しかし、見知らぬ3人の人生が思いがけず衝突したとき、必要なことはただ1つのことだった。それをしなければ、誰かが死んでしまうからだ。

 

感想

とても素晴らしい作品でした。私はこの作者が大好きなので、今作も期待を持って読みはじめましたが、期待を大きく上回っていました。文字通り、最初から最後までページをめくる手が止まらず、実質2日ほどで読んでしまいました。

 

プロットの巧妙さはもちろんのこと、今作はとくにキャラクターで惹きつけられたと思います。出てくるキャラクターは少なすぎず多すぎず、それぞれがしっかりと書き分けられているため、混乱することなく読めました。

 

特にアースラは憎めない存在でした。最初は彼女の盗み癖に嫌気がさしていましたが、彼女の過去や困っている人をそのままにしておけない正義感の強さなど、物語が進むにつれてどんどん面白い存在になっていきました。

 

伏線が至るところに引かれますが、それもすべて気持ちよく回収されます。しかも、その回収の仕方も、一つ一つがウィットに富んでおり、ひねりがあり、全て楽しむことができました。そして、彼女の作品では社会問題が扱われることが多いと思いますが、今回はそれだけでなく、終盤少し涙をそそる場面もあり、それがまたこの作品を特別なものにしていたと思います。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★★(5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!