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Louise Candlish "the heights" あらすじ・レビュー【洋書心理スリラー】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回はLouise Candlishさんの "the heights"という作品をご紹介します。

作品概要
著者について

ルイーズ・キャンドリッシュ
サンデー・タイムズ紙のベストセラー作家である彼女は、ノーサンバーランドで生まれ、ミッドランズ地方の町ノーサンプトンで育ち、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで英語を学ぶために首都ロンドンに移り住んだ。夫、10代の娘、フォックスレッドのラブラドール・バーティと一緒に南ロンドンで暮らしている。

 

本の概要

・ISBN:9781982174125
・出版年:2021年
・出版元:Atria Books
・ジャンル:心理スリラー、ミステリ
・ページ数:416ページ

 

あらすじ

ロンドンの一角に建つ、スラリと背の高いアパートメントビル「ザ・ハイツ」。その屋上テラスは、真向かいのアパートの窓際に立たなければ、その存在に気づかないほど控えめである。しかし、あなたはテラスにいる、どこにでもいるような男を見た。歳はとったかもしれないが、間違いなく彼だ。

 

しかし、それはありえないはずだ。なぜなら、彼は2年以上前に死んだから。そして、彼はあなたが殺したのだから。

 

感想

またしてもすごい作品に出逢ってしまいました。ルイーズさんの作品は過去に2冊ほど読んだことがあるのですが、それらと同じくらいのドキドキ感、そしてそれらを超える熱量がありました。

 

この本の主な語り手であるエレンの愛する息子、ルーカスに近づくキーラン。彼の存在は出てきたときから危険だなと感じていて、息子が彼に悪い影響を受けていることを心配するエレンの気持ちが痛いほどよくわかりました。

 

筆者があとがきで、「リベンジ」をテーマにしたかったと書いていましたが、それが非常に巧妙に描かれていたと思います。決してストレートなリベンジではなく、どちらがリベンジされる側なのか?と一時は疑ってしまうほどに。白黒つけられない問題に向き合わざるを得なかったエレンや元夫のヴィクの心理描写が素晴らしかったです。

 

リベンジというテーマもさることながら、事故の真相は何なのか、10代の子を持つ親の心配と葛藤、罪と許し、10代の友人や恋愛関係のもろさなど、さまざまな社会問題を問いかけているようにも感じました。

 

ルイーズさんのおすすめ作品や作品一覧は以下のブログ記事にまとめています。あわせて読んでいただけたら嬉しいです↓

 

ybook.hatenablog.com

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!