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Lucy Foley "The Paris Apartment" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Lucy Foley "The Paris Apartment" という作品をご紹介します。


作品概要
著者について

ルーシー・フォーリー

1986年ロンドン生まれ。ダラム大学で英文学を学んだあと、出版業界で編集者として数年勤務。2015年出版の”The Book of Love & Found”でデビュー。現在はフルタイムで作家として執筆にあたっています。ミステリ、歴史フィクション、現代小説など、幅広いジャンルで作品を生み出しています。

 

本の概要

・ISBN:0063003058
・出版年:2022年
・出版元:William Morrow
・ジャンル:ミステリ、サスペンス、心理スリラー
・ページ数:360ページ

あらすじ

ジェスは再出発を必要としている。一文無しで孤独な彼女は、理想的とは言えない状況で仕事を辞めたばかりだ。異母兄のベンは、彼女がちょっとだけ泊めてくれないかと頼んだとき、あまり嬉しそうではなかったが、彼は断らなかったし、きっとパリからならすべてがよく見えるに違いない。しかし、ベンは断らず、きっとパリからならすべてがよく見えるだろうと思った。- 彼はそこにいない。

ベンが行方不明になるにつれて、ジェスは兄の状況を調べ始め、疑問を深めていく。ベンの隣人たちは様々な人種で構成されており、特に友好的でもない。ジェスは自分の過去から逃れるためにパリに来たのかもしれないが、問題はベンの未来であるように思えてきた。

 

感想

大好きなルーシー・フォーリーさんの2022年2月に発売された新作です。彼女のことだからハズレはないだろうと思っていましたが、期待通り面白かったです。

 

"The Hunting Party(スコットランド)"、"The Guest List(離島、確かアイルランドの近くだった気が)"に続いて、今作はパリと、舞台設定がまず良いんですよね。登場人物たちも個性的で、それほど多くないことも相まって覚えるのにあまり苦労しませんでした。

 

キャラクターたちの抱える秘密、コンシェルジュの秘密、アンティークで豪華なアパートの秘密。あらゆる秘密が次第に明らかになっていきます。Jessがたどっていく道は、兄・Benがたどった道と重なる。

 

Benの身に何が起きたのだろう、と読者は最後まで興味をそそられると思います。最後に事件の姿を大きく変える事実が明らかになり、衝撃でした。

 

海外のレビューを見ていると、特にキャラクターやタイムラインの点で厳しい意見が目立ちました。私はキャラクターについてはきちんと書き分けられていたし、それぞれに色んな意味での人間性が見えて良かったと思いますが、タイムラインについてはもう少し書き方を工夫してもらえたら読みやすかったなと思います。意外と重要なポイントとなるので。

 

また、文体もこれは作者の個性、と言われればそれまでなのですが、やや「:(コロン)」の使い方が気になりました。多用されている点、そして普通だったらコンマかピリオドを打つのかな、という部分でコロンが使われていたためです。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!