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Megan Goldin "The Night Swim(Rachel Krall #1)" あらすじ・レビュー【洋書ミステリ・心理スリラー】

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、Megan Goldinさんの "The Night Swim(Rachel Krall #1)"という作品をご紹介します。

 

作品概要
著者について

ミーガン・ゴールディン
ロイター通信、オーストラリアABC、ヤフーニュースでジャーナリストとして活躍後、心理スリラー「The Girl In Kellers Way」を執筆し、デビュー。

 

本の概要

・ISBN:9781250219688
・出版年:2020年
・出版元:St. Martin's Press
・ジャンル:ミステリ・心理スリラー
・ページ数:344ページ
・シリーズ:Rachel Krall #1



あらすじ

レイチェル・クラールは、実際の犯罪を扱うポッドキャストの第1シーズンが一夜にしてセンセーションを巻き起こし、無実の男を釈放したことで、今や有名人であり、正義を求める何千人もの人々の最後の希望となった。

 

しかし、彼女は顔ではなく声によって認識されることに慣れている。そのため、彼女が、車のフロントガラスに自分宛ての助けを求めるメモを見つけたとき、不安に襲われた。

 

小さな町ニーポリスは、壊滅的なレイプ裁判によって引き裂かれつつある。オリンピック選手として活躍する町の人気者が、警察署長の孫娘に対する暴行罪で起訴されたのだ。

 

ポッドキャストのシーズン3を成功させるというプレッシャーの中、レイチェルは取材と調査に没頭するが、謎の手紙は思いがけない場所に次々と現れる。誰かが彼女を尾行しており、レイチェルが25年前に姉に何が起こったか突き止めるまで、手紙の送り主の女性は止まらない。公式にはジェニー・スティルスは溺死したとされているが、手紙には殺害されたと書かれており、レイチェルが質問を始めると、関係者は誰も答えようとはしない。レイチェルは、裁判の行方と関係者の人生を変えることになる2つの事件の驚くべきつながりを明らかにし、過去と現在がぶつかり始める。

 

衝撃的で勢いのある「ナイト・スイム」は、こう問いかける。評判の代償は何なのか?小さな町は過去の過ちを正すことができるのか?そして、ジェニーに何が起こったのか?

 

 

感想

またまたすごい小説に出逢いました。性暴力に関する、過去と現在の2つの事件。似ているのか、似ていないのか。事実は何で、誰が責めを負うべきなのか。いろいろなことを考えさせられる作品でした。

 

現在の事件に関しては、裁判の様子が非常に丁寧に描かれています。そのため、事件の詳細にも触れられるため(それだけ、不正義や不条理に対する作者の熱量が高いのかなと感じました)、苦手な方は注意した方が良いと思います。実際に私も詳細な描写の部分はざっくりと読むだけにしました。

 

また、事件を追うのはレイチェルというポッドキャスターなのですが、ポッドキャストのエピソードという形が取り入れられていて、アクセントとなっていました。

 

暴力の事件がメインテーマとなるものの、貧困やシングルマザーの苦しみ、マチスモ、暴力の連鎖、隠蔽、権力など、さまざまな社会課題・問題を読者に提示していました。裁判官が、そして過去の被害者の妹が、最後に見た結末とは……。ぜひ気になる方は読んでみてください。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!