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Nicholas Searle “The Good Liar” あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は、Nicholas Searle “The Good Liar” という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

ニコラス・サール

コーンウォールで育った彼は、バース大学とゲッティンゲン大学で言語を学びました。4年間教職に就いた後、ロンドンで公務員になりました。安全保障に関わるさまざまな仕事に従事し、その後、ウェリントンにあるニュージーランド政府で同じような仕事をしました。2011年に英国に戻り、公務員を辞め、本格的に執筆活動を開始しました。彼は現在、妻とヨークシャーに住んでいます。

 

本の概要


・ISBN:006240749X
・出版年:2016年
・出版元:Harper
・ジャンル:サイコロジカルスリラー
・ページ数:352ページ(ハードカバー)

 

あらすじ

イギリスの小さな町に住む詐欺師のロイは、最後の詐欺を実行しようとしている。彼は美しい女性と出会い、口説き落とす。すぐに彼女と同棲し、夜はテレビの前で過ごし、ベルリンでちょっとした休暇を過ごすなど、一見、引退した夫婦のような穏やかな生活を送る。そして、彼は彼女の生活費を持ち逃げしようとする。

しかし、この詐欺師の背後にいるのは誰で、彼はこの嘘の人生を生き抜くために何をしなければならなかったのか?

そして、なぜこの美しい女性は彼の次の犠牲者になろうとしているのか?

 

感想

初めてこの作家さんの作品を読みました。この小説がデビュー作だそうです。高齢の男女が出会い、なんだかどんな展開になるのか想像がつきませんでした。現在と過去の両方の視点で物語は語られますが、特に序盤はストーリーのテーマがよくわからず、戸惑いました。しかし、中盤から終盤にかけて色々なことが明らかになり、つながり、ジグソーパズルのピースがどんどんはまっていくような気持ちになりました。

 

登場人物については、主人公ロイもおもしろいのですが、やはりベティの奥深さというか、人生の重厚さに驚きました。今まさに、日本もそうですが、世界において大きな出来事が”歴史”になりそうな転換点に来ていると思います。悲惨な出来事があったこと、それに目をつぶるのではなく、事実として受け止める。そして、今それがない時代をありがたいと感じるとともに、その尊さも、いまを生きる世代がしっかりとかみしめないといけないのだと思いました。

 

5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!