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Oscar Wilde(オスカー・ワイルド)“The Importance of Being Earnest” あらすじ・感想

こんにちは!

今回は、Oscar Wilde(オスカー・ワイルド)“The Importance of Being Earnest”という作品をご紹介します。

 

 

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作品概要
著者について

オスカー・ワイルド:

オスカー・ワイルドは、アイルランドの劇作家、詩人であり、数多くの小説を執筆しました。痛烈なウィットと豊富な格言で知られる彼は、ヴィクトリア朝末期のロンドンで最も成功した劇作家の一人であり、当時の最大の有名人の一人でもありました。特に『The Importance of Being Earnest』は、現在も広く上演されています。

一連の裁判が広く報道された結果、ワイルドは劇的な転落に見舞われ、他の男性との「重大な行為」で有罪判決を受け、2年間の重労働を強いられました。釈放されたワイルドは、夜行フェリーで出航しました。その後、彼はアイルランドにもイギリスにも戻ることなく、貧困のうちに亡くなりました。

 

概要


・劇の初演:1895年2月14日、ロンドンのセント・ジェームズ劇場
・ジャンル:コメディ、ロマンス
・英語の難易度、特徴:劇なので、会話がほとんどです。ほかに場面説明等もありますが、少ないです。
・テーマ、キーワード:プロポーズ、婚姻、名前、勘違い、偽り
・おすすめする人:イギリスらしい皮肉やユーモアを楽しみたい方

 

あらすじ

セシリー・カーデューとグウェンドレン・フェアファクスは、同じ神話上の求婚者に恋している。ジャック・ワーシングはアーネストとしてグウェンドレンに求婚し、アルジャーノンもジャックの被後見人であるセシリーの心をつかむためにアーネストのふりをしていた。同じ週末に4人がジャックの田舎の家にやってきて、アーネストの心を奪おうとする「ライバル」と、愛する人の心を奪おうとする「アーネスト」が現れ、大混乱に陥る。この状況を打開できるのは、老齢の保母と捨てられた古いバッグだけだ。

 

 

感想

オスカーワイルドの作品は、これまでにもいろいろと読んできました。特に、『ドリアングレイの肖像』は大好きで、自分が選ぶ海外文学作品ベスト10にも入れています(笑)そして、この作品は、私がずっと読みたいと思っていたもののひとつです。

この作品のおもしろさは、主人公たちが決して自分の本心を明かさず、社会的な義務から逃れるために常にウィットに富んだ人格を保つというのが、全体を貫くユーモアであり、ジョークとなっているところです。作中では、ヴィクトリア朝の伝統や社会慣習、結婚や愛の追求などが繰り返し嘲笑されています。これが本当におもしろい。"ヴィクトリア朝の社会では、「真面目さ」は価値のある性格特性として高く評価されていました。The Importance of Being Earnest』というタイトルは、まさにこの慣習を揶揄しているのです。結婚という極めて深刻な社会的制度が、繰り返し些細な出来事として扱われていて、読んでいて思わず笑ってしまう箇所がいくつもありました。

 

一言キャッチフレーズ

ワイルドの皮肉とユーモアをご堪能あれ


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★★(5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!