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Paula Hawkins "A Slow Fire Burning" あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は、 Paula Hawkins "A Slow Fire Burning" という作品をご紹介します。

 

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作品概要
著者について

ポーラ・ホーキンズ

ジンバブエ生まれで、現在はロンドンとエジンバラを行き来する生活をしています。ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー「The Girl on the Train」の著者であり、この作品は大規模に映画化もされました。

 

本の概要


・ISBN:0857524445
・出版年:2021年
・出版元:Doubleday
・ジャンル:ミステリ、心理スリラー
・ページ数:320ページ(ハードカバー)

 

あらすじ

 

ローラは人生のほとんどを批判されながら過ごしてきた。彼女は気性が荒く、問題を抱えていて、一匹狼だと思われている。ある人は彼女を危険だと。

ミリアムは知っている。ローラが目撃されたからといって、恐ろしい殺人現場から血のついた服を着て立ち去ったからといって、それは彼女が殺人者だということではないことを。

苦い経験から、間違った時間に間違った場所で捕まることがいかに簡単かを知っている。

 

カーラは、甥の残忍な殺人事件から立ち直っていた。彼女は誰も信用していない。善良な人々が恐ろしい行為をする可能性があるからだ。

無実であろうと有罪であろうと、誰もが傷ついている。中には殺人を犯すほどのダメージを受けた者もいる。

 

 

感想

Paula Hawkinsさんの本を読むのは、今回で2作目です。重要人物が多いので主人公をひとりにしぼるのは難しいのですが、重要人物のローラは難しい存在でした。彼女のモットーは「私のせいではない」。物語の冒頭、彼女は、ナローボートに乗っていた男性の死体が発見された日の早朝に、そこから出て行くところを目撃されます。ローラは想像以上に多くの心に荷物を抱えていますが、悩める女性は彼女だけではありません。

 

ダニエルの遺体を発見したミリアムについては、物語が進むにつれて彼女の恐ろしい過去を知ることになりました。また、カーラはダニエルの叔母であり、幼い息子を不幸にも亡くした悲嘆にくれる母親。セオはカーラの元夫で、作家であり、物語に暗い影を落としています。

 

誰がダニエルを殺したのか、その理由は?ということが物語の大きなテーマになりますが、章によって、それぞれの登場人物が犯人であるかもしれない理由を持っているところに面白さを感じました。悲劇やトラウマを抱えた人物、怪しい血統の人物。誰もがあやしく思え、真実は何なのかと考えてしまいました。

最初はやや物語に入りにくいですが、キャラクターが頭の中で完全に入ってからは、ストーリーを楽しむことができました。一筋縄ではいかない、おもしろい作品でした。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

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