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東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』あらすじ・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』という作品をご紹介します。



本の概要


・ISBN:4163906436
・出版年:2017年
・出版元:文藝春秋
・ジャンル:ミステリ、サスペンス、スリラー、ハードボイルド
・ページ数:335ページ

あらすじ

1984年​、台湾​。13歳だった。 夏休みが終わる​ほんの​2日前、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ。 2015年冬、アメリカで連続殺人鬼「サックマン」が逮捕された。デトロイトの荒んだ街並みを見つめながら、「わたし」は、台湾で過ごした少年時代を想い出していく。三十年前、わたしはサックマンを知っていた――。 1984年夏、​台北​で、兄をなくしたばかりのユン、牛肉麺屋のアガンと弟のダーダー、喧嘩っ早くて正義感の強いジェイは友情を育んでいた。四人の少年たちは、ある計画を実行することに決めた……。 サックマンとは誰なのか? その謎をめぐる青春ミステリー。(Amazonより引用)

 

感想

タイトルの意味が次第にわかってくると、そのやるせなさに心が痛みました。サックマンは、ある日突然変わったのではなく、徐々に死んでいっていたのだ、と。

 

まず衝撃的な場面からこの物語はスタートし、そこで逮捕された謎の人物”サックマン”がいったい誰なのか、ということがカギとなります。サックマンはアメリカを震撼させるような事件を起こしますが、その背景にあるものは、物語の主な舞台となる台湾にありました。

 

台湾には一度訪れたことがあるものの、文学作品で読むことは少なかったので新鮮でした。時代が違うのでもちろん今と同じではないでしょうが、それでもいかに自分が台湾の観光的な明るい面しか見ていなかったことを痛感させられました。

 

友情、家族、痛み、それはどの国でも同じなのですね。

 

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!