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朝井リョウ『どうしても生きてる』あらすじ・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、朝井リョウ『どうしても生きてる』という作品をご紹介します。



本の概要


・ISBN:434403516X
・出版年:2019年
・出版元:幻冬舎
・ジャンル:一般フィクション
・ページ数:323ページ

 

あらすじ

死んでしまいたい、と思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(『健やかな論理』)。家庭、仕事、夢、過去、現在、未来。どこに向かって立てば、生きることに対して後ろめたくなくいられるのだろう。(『流転』)。あなたが見下してバカにしているものが、私の命を引き延ばしている。(『七分二十四秒めへ』)。社会は変わるべきだけど、今の生活は変えられない。だから考えることをやめました。(『風が吹いたとて』)。尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が映されているような気がした。(『そんなの痛いに決まってる』)。性別、容姿、家庭環境。生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。(『籤』)。現代の声なき声を掬いとり、ほのかな光を灯す至高の傑作。(Amazonより引用)

 

感想

1+1=2、にシンプルにならない論理もある。くだらないこと、無駄なこと、ハズレだと思われること、それでもいい。それが必要な人、そこから救われる人、そこから再生していく人がいる。素晴らしい作品でした。

 

近年、目立つこと、個性的なこと、人の上に立てること、そんなことがもてはやされている気がします。何者かになりたい人、ならなくてはいけないという社会の風。強く感じたのは就職活動のときでした。

 

でも、静かに頑張っている人がいる。社会の明るい部分からは見えないところの何かに救われている人がいる。効率よく成功を収めていくことだけが生きることではない、そんなことを感じました。自分が頑張って生きていることに勇気がもらえます。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★★(5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!