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中野京子『運命の絵 もう逃れられない』概要・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、中野京子さんの『運命の絵 もう逃れられない』という作品をご紹介します。

 


本の概要

・ISBN:978-4-16-390963-9
・出版年:2019年(単行本版)
・出版元:文藝春秋
・ジャンル:美術史、教養、エッセイ
・ページ数:208ページ

概要

「怖い絵」「名画の謎」に続く注目のシリーズ第2弾!

何気なく見ていた有名絵画の奥底を知れば、
もう登場人物の境遇に心を寄せずにはいられない……!

世紀を越えた名画が私たちに突きつけるのは、
〈誰もみな、運命から逃れられない〉という現実。

 

表紙は印象派の先駆者マネの最晩年の大作『フォリー・ベルジェールのバー』。
華やかなパリの酒場に立つバーガールは、なぜ死んだ目をしているのか?
そして裏表紙に続く絵の右側には、怪しい男の気配……。
実は彼女は追い詰められ、今まさに運命の分岐点にいる――。
〈この作品は2019年9月からはじまる「コートールド美術館展」で来日予定。
本書を読めば、鑑賞が何倍も楽しくなるのでおすすめです!〉

 

ほか、絵画エッセイの名手・中野京子さんだから解き明かせる17の〈運命〉を収録。
◎グロの描いた、若きナポレオンにオーラを授けた「奇跡の一枚」
◎波乱万丈すぎるゴーギャンの「遺書になりそこねた名作」
◎シェフェールがエロティックに描いた「死に向かう乙女」の理想と現実
◎ターナーが戦艦に重ねた「イギリスの栄枯盛衰」
◎バーン=ジョーンズの「運命の車輪」が真に迫りすぎている理由
etc.

絵画32点はすべてオールカラー掲載、主要絵画は引き出し線の入った詳細解説入り。

文藝春秋HPより引用)

 

感想

中野京子さんの絵画エッセイは、以前にも読んだことがあるのですが、今回の作品もとても興味深く読めました。

 

私は絵を描くのはまったく得意ではないのですが、昔から美術館に行ったり、美術の資料集を眺めたりするのは好きでした。とはいえやっぱり知っているのは有名な作品ばかりなので、今回の本でまた知らない絵画に出逢えて、そしてそこにあるメッセージや時代背景を知ることができて良かったです。

 

絵画という、人によっては取っつきにくいテーマをとてもわかりやすい文章で説明してくださっているので、「絵はちょっと……」と思っている方も読みやすいと思います。

 

あと、個人的には絵画とさまざまな文学作品のリンクが面白かったです。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★☆(4/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!