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石持浅海『扉は閉ざされたまま』あらすじ・レビュー

こんにちは!イギリス在住読書ブロガーのゆず(@ybook21)です!

今回は、石持浅海さんの『扉は閉ざされたまま』という作品をご紹介します。

 


本の概要

・ISBN: 978-4396207977
・出版年:2005年
・出版元: 祥伝社
・ジャンル:ミステリ
・ページ数:212ページ
・シリーズ:碓氷優佳シリーズ #1

 

あらすじ

密室殺人、完了
完璧に騙せたはずだった
ただひとりの女性をのぞいては——
緊迫した攻防をシャープに描く
“同窓会”ミステリー


照明は、点けたままでいいのだろうか?
暗くなっていく時間帯に、入浴時に部屋の照明を消すだろうか。
消さない、というのが伏見の結論だった。
照明のスイッチには手を触れずに、再びドアノブを握った。ゆっくりと引いた。
どん、と音がしてドアが閉まる。


——よし。
伏見は一人うなずいた。
久しぶりに開かれる大学の同窓会。成城(せいじょう)の高級ペンションに七人の旧友が集まった。〈あそこなら完璧な密室をつくることができる——〉当日、伏見亮輔(ふしみりょうすけ)は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。何かの事故か? 部屋の外で安否を気遣う友人たち。

 

自殺説さえ浮上し、犯行は計画通り成功したかにみえた。しかし、参加者のひとり碓氷優佳(うすいゆか)だけは疑問を抱く。緻密な偽装工作の齟齬(そご)をひとつひとつ解いていく優佳。開かない扉を前に、ふたりの息詰まる頭脳戦が始まった……。

(Amazonより引用)

 

感想

とても面白かったです!倒叙ミステリは好きなジャンルなので他にもいくつか作品を読んだことがあるのですが、この作品も素晴らしかったです。

 

ミステリ好き、特に謎解きや心理戦・頭脳戦に焦点が当てられた作品が好きな方にはたまらないと思います。二段組みだったのでページ数に比べて読み応えがありました。それでも緊張感が続く展開と、無駄のない構成で一気読みしました。

 

犯人の視点で物語は進んでいきますが、同窓会メンバーで最も頭の鋭い優佳がさまざまなことに気づいていくため、こちらもひやひやでした。そして、読者にとっても謎であろう犯人の動機が、この閉ざされたままの扉とどのように関わっているのか、というところが見事でした。

 

5段階評価(おすすめ度)

※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。

 

★★★★★(5/5)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!