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山本周五郎『五瓣の椿』あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は、山本周五郎『五瓣の椿』という作品をご紹介します。

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作品概要
著者について

山本周五郎

1903年山梨県に生まれました。1926年に文壇デビューをしました。1943年には、直木賞に推薦されましたが、受賞を辞退しました。作風は時代小説、特に市井に生きる庶民や名も無き流れ者を描いた作品で本領を発揮しました。彼の小説に登場する人物に、生きる上でのヒントとなる、含蓄のある台詞を言わせる、というのも彼の作風です。他の作家では、トルストイやサローヤンを好んで読んでいたそうです。1967年に亡くなりました。

 

本の概要


・出版年、出版元:1959年1月から同年9月まで講談社の雑誌『講談倶楽部』に連載の後、同年に講談社より刊行
・ジャンル:歴史・時代小説、サスペンス
・テーマ、キーワード:罪と罰、父と娘、復讐、山本周五郎唯一のサスペンス作品

 

あらすじ

父を失い、少女は殺人に手を染める……。周五郎唯一のサスペンス小説!

家のために働きづめ、その挙句倒れて死んでしまった大切な父。その時母は浮気相手と不義密通を働いていた――。おしのが母をなじると、返ってきたのはおどろくべき言葉だった。「おしのちゃん、あなたの本当の父親はほかにいるのよ。」
母の不義を憎み、次々と母や、男たちに復讐を果たしながらも、不浄な血が流れている自身の存在に悩むおしの。最後の復讐相手、自分の本当の父親と直面したおしのがとった驚くべき行動とは――。犯した罪をどうやって償うべきか。サスペンス仕立てで語られる、罪と罰の物語(Amazonより引用)。

 

感想

真面目に一生懸命働く父、というのが自分の父と重なり(母親はこの小説と自身の母は全く違いますが(笑))、自然と物語冒頭から頭だけでなく心も持っていかれました。

 

女性の強さ、とは一言で言えないようなおしのの葛藤や迷い、いつもその瞬間に「お父さん、私に力を貸してね」と小さく願う姿が胸を打ちました。完璧な勧善懲悪、ではなかもしれないけれど、たぶんこういう物語って今こそ人々が好んで読むだろうなと。

 

また、物語の本題とは離れますが、料理茶屋や旅館などの名前ってきれいですよね。今回の作品では色々な場所が出てくるので、それも楽しみの一つでした。

 

一言キャッチフレーズ

この罪と罰は誰に向けられるものか


5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★★(5/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!