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坂口安吾『明治開化 安吾捕物 その一 舞踏会殺人事件』あらすじ・レビュー

こんにちは!

今回は坂口安吾『明治開化 安吾捕物 その一 舞踏会殺人事件』という作品をご紹介します。

 


作品概要
著者について


坂口安吾
明治39年10月20日、新潟市生まれ。本名は炳五(へいご)。父仁一郎、母アサの五男。坂口家は旧家で大地主。放任主義の父、母にもなじめなかった安吾は、幼稚園、小学校、中学とはみだしが多く、まともに通学しなかった。「家」に反逆し孤立した彼を癒(いや)してくれたのは、故郷の海と空と風であった。戦後は混迷錯乱状況のなかで、人間の本質を洞察した『堕落論』(1946)を、その実践として『白痴』(1946)を発表した。

 

本の概要


・出版年:初出は「小説新潮」[1950(昭和25)年〜1952(昭和27)年]
・ジャンル:ミステリ、推理小説

 

あらすじ・概要

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「小説新潮」[1950(昭和25)年〜1952(昭和27)年]。時は戦後社会とある種通底した文明開化の明治時代。そこでは日夜起こる怪事件を、隠居し悠々自適に暮らしていた幕末の英雄・勝海舟、弟子の虎之介、紳士探偵・新十郎が推理するシリーズ作。今回は閣僚も同席した仮面舞踏会で、政商・加納五兵衛が殺された事件に挑む。 

 

感想

なに、一番あわてふためいて騒いでいるのは、お前じゃないか――

 

なんだかこの一文が物語に面白みを加えているような気がして好きでした。
坂口安吾ってどうしてもイメージで敬遠していたのですが、ミステリの要素がしっかり入っていてむしろ読みやすかったです。やはり食わず嫌いはしない方がいいものですね。

 

お金持ちや政治、国家が絡んできたりと壮大なのですが、語り口がおもしろく読みやすかったです。短いお話しでしたが、起承転結きれいにまとまっていて、テンポもちょうどよかったかなと。ほかにも、安吾の捕物探してみようと思っています。

 

5段階評価(おすすめ度)


※あくまで私の主観によるものですので、参考程度にお考えください。


★★★★☆(4/5)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!